ブルーオーシャンインプル研『経営コラム(インプルリポート)』

-クリックするとインプルリポートが開きます-

1.会計識字力
2.借入金
3.黒字経営
4.財務諸表
5.資金
6.財務分析
7.安全性
8.経営計画
9.設備投資力
10.債務償還
11.支払能力
12.キャッシュ
13.損益分岐点
14.コラム
15.マーケティング
16.決算書
17.月次試算表
18.B/S
19.P/L
20.C/S
未分類


603.収益改善 パレート分析

2023年2月5日 印刷用ページ

これまで経営改善に着手する前に抜けているものとして、『マズローの法則』と『選択と集中』を紹介しました。

経営改善を行う上で実質的な担い手である従業員のモチベーションを高めること、そして限りある経営資源を

最大限に活用するために『選択と集中』が大切であることを説明しました。

今回はさらに、その『選択』する上での重要な手法を紹介します。

それが『パレート分析』なのです。

 

『パレート分析』というと、「パレート分析って?」と思われる方も多いかもわかりません。

しかし「ABC分析」と言いなおすと、「ああ」と思われる方も多いと思います。

また「2:8の法則」というと、「聞いたことがある」と思われる方も多いのではないのでしょうか。

そんな『パレート分析』ですが、分析の仕方はわかっていても、意外とその使い方を知らないものです。

たとえば売上高について、パレート分析を行ったとします。

そしてAランク・Bランクなどがわかり、「これがAで、これがBだったのか」で終わってしまっている場合が多いようです。

それだけでは、パレート分析を活かしていることになりません。

つまり、A・B・Cに分けただけで納得しないで、その結果を経営改善に活かさなければならないのです。

パレート分析は「ABCランクをどのように理解するのか」が大事!

 

Aランクとは、さらに深掘りをしていくために、新たな付加価値を考える商品・サービスなのです。

  →それによって、新商品・新サービス開発へとつながって行きます。

Bランクとは、さらに浸透をさせて行くべき商品・サービスなのです。

  →それによって、新しいAランク商品・サービスを育てることにつながって行きます。

Cランクとは、入れ替え対象の商品・サービスなのです。

  →それによって、将来に向けた新たな芽を育てることにつながって行きます。

パレート分析はアンゾフの『商品市場戦略』に結び付いているのです!

 

そんな『パレート分析』について少し詳しく勉強しましょう。

1 パレート分析とは

《パレート分析のイメージ図》

パレート分析とは、上図のような『パレート図』を使った分析のことです。

パレート図とは、データを項目別に集計・分類して、多い順に並べ替え、それに棒グラフと累積曲線によって表した図です。

複数の課題があった場合、重要な課題から解決したり、課題に対する影響度の大きい原因から対策を打ったりすることは、

一般的な考え方ですが、パレート図を使うと課題の大きさや順位が簡単にわかると同時に、それらが全体の課題に対して

どの程度の割合を占めているのかということが把握しやすくなります。

たとえば、商品やサービスを横軸にして、売上高の多い順に並べ、集計値を棒グラフにしたとします。

折れ線グラフは各商品・サービスの累積構成比で、一番右側は累計割合の100%となります。

 

このようなパレート図を作成すると、次のようなメリットがあると言われています。

①全社員で、重要な商品やサービスをすぐに理解しあえる

 頭の中にあるイメージを言葉でいくら説明しても、なかなか理解してもらえないことがあります。

 またどの商品・サービスを最優先すべきかなどについて、意見が分かれ、議論が進まなくなってしまうこともあります。

 しかしパレート図で説明すれば、棒グラフからどの商品やサービスの売上高が多いのかハッキリします。

 また、折れ線グラフから、全体における影響度の大きさが一目瞭然になります。

 そのため、優先すべき商品やサービスを何なのかがすぐわかり、検討漏れも防ぐことが可能となります。

②パレート分析はいろいろな課題に有効活用できる

 売れ筋商品の把握の際に活用して、品揃えや展示方法見直しなどの議論につなげられます。

 在庫や購買品の管理方法を検討する際に活用して、購買方法の見直しなどにつなげられます。

 効率アップをするための工程の調査に活用して、時間の効率向上につなげられます。

 依存度が高い得意先の抽出に活用して、経営の安全リスク対策の検討につなげられます。

 たとえば、ある企業の得意先別売上高をパレート図にまとめると、以下のようになります。

 この例示では、Sへの売上高が約800万円あり、全売上高の約65%を占めていることがわかります。

 この結果から「S社1社に大きく依存しているから経営的にはリスクが高いので、他の得意先売上高を増やし、リスクを下げる

 ことが必要なのではないか?」という問題提起ができます。

 あるいは「S社にとってのオンリーワンになることを目指したほうが当社の経営にとっていいのではないか」などと検討できる

 ようになります。パレート分析は、こうした具体的かつ現実的な経営戦略を練るときに役立ちます。

③パレート分析は改善効果もハッキリ見える

 改善前のパレート図と改善後のパレート図を比較するだけで、改善後の効果も容易にわかるという利点もあります。

 

2 ABC分析との違い

冒頭で「パレート分析はABC分析とも呼ばれる」的な表現をしましたが、厳密には少し違いがあります。

ABC分析は本来、パレートの法則(2:8の法則)に基づいて、重要度別にA・B・Cに分ける分析なのです。

金額の大きい順に並べ、累積金額の割合に応じて、次のようにABC分析を行います。

 70%以下のもの   A 重要管理事項であり、さらに深掘りするために新たな付加価値化を考える

 71~90%のもの  B 中程度管理事項であり、さらに浸透を図りAランクに引き上げることを考える

 91~100%のもの C 一般管理事項であり、入れ替えを考える

 

このようにABC分析の結果に基づいて、グループごとに販売方法や在庫管理方法などを変えるなどして、

売上拡大や管理コスト低減に活用します。

一方、パレート分析でも、パレート図の累積構成比曲線の値を使って同様な分析を行うことができるので、

パレート分析とABC分析は基本的には大きな違いはないということです。

« 1つ前の記事(Older Entries)   |