ブルーオーシャンインプル研『経営コラム(インプルリポート)』

-クリックするとインプルリポートが開きます-

1.会計識字力
2.借入金
3.黒字経営
4.財務諸表
5.資金
6.財務分析
7.安全性
8.経営計画
9.設備投資力
10.債務償還
11.支払能力
12.キャッシュ
13.損益分岐点
14.コラム
15.マーケティング
16.決算書
17.月次試算表
18.B/S
19.P/L
20.C/S
未分類


666.会計の基本知識 読み方の体系 1/3

2024年4月26日 印刷用ページ

 「会計の基本知識」の最後に、読み方の体系(地図)とも言える『経営分析の体系』について、3回に分けてお伝えする。

さて、『経営分析の体系』は別に知っておくこともないとも言えるが、しかし知っておくことで会計の読み方に奥深さが出てくる。

また、自社の経営状況に何か問題を感じたとき、どこを見れば良いのか、すぐわかるという利点もある。

したがって、読み方の体系である、『経営分析の体系』は知っておくことは「会計資料の読み方」につながる。

 

 

1 分析体系はここから始まる『総資本の利益率』

 事業は結局のところ、「事業で使っている資本で、どのくらい利益を上げているのか」ということが、一番重要なことになる。

何故なら、誰も損しようと事業は起こさないし、この事業は儲かるという思いがあって事業は起こすものだからだ。

したがってそのように考えると、「事業にかけている資金で、どのくらい儲けているのか」ということが、一番肝心なことになる。

事業は「利益」を出してこそ

納税という社会的使命が果たせ、雇用という社会的役割を担える!

 

 そのように考えると、経営の分析は事業投資に対する利益である、『総資本利益率』から始まる。

総資本 営業利益 率(%)=営業利益又は経常利益÷総資本×100

             ↑      ↑

         事業投資額      事業利益

 

2 読み方の体系「経営分析の体系」

 そもそも「事業の健全な育成の流れ」とは、どういう流れなのだろうか。

実は、経営分析はその流れに沿って、体系化されているのだ。

1.事業にとって最初に大切なことは「売上」、売上無くして事業は成り立たない

  経営分析の体系もそれを一番最初のテーマに掲げている。それが「回転率」であり、「回転期間」だ。

2.事業にとって次に大事になることは「利益率」、売れても儲けがないと事業は成り立たない

  経営分析の体系はそれを2番目に位置付けている。それが「利益率」であり、「各経費率」だ。

3.3番目の課題は「効率」、より高い利益を出すには効率性を高めることが大事

  経営分析の体系はそれを3番目の課題に位置付けており、それを「生産性分析」と呼んでいる。

4.事業の基礎ができれば「ゴーイングコンサーン」、つまり事業の継続性の礎になる安定性が大事

  経営分析の体系もそれを4番目の課題と位置づけ、それを「安全性分析」と呼んでいる。

5.安全性を補完する、借入金の返済能力をマネージする

  経営分析の体系もそれを5番目の課題と位置づけ、少し難解な用語だが「債務償還能力」と呼んでいる。

6.事業は継続とともに費用も大きくなり、だから成長性が必要

  経営分析の体系もそれを6番目の課題と位置づけ、「成長性分析」と呼んでいる。

7.さらなる成長をするには、収益の構造改善を常にする

  経営分析の体系もそれを最後の7番目の課題と位置づけ、それを「収益構造改善分析」と呼んでいる。

 

 以上を『経営分析の体系』として図式化すると、以下のようになる。

 一見、多くあって複雑なように感じるが、その骨格はいま説明した「7項目」だ。

事業の根本基礎である『総資本利益率』を読み込んでいくためには、

①回転率 ②利益率 ③生産性 ④安全性 ⑤債務償還 ⑥成長性 ⑦収益構造 この7面から経営状況を読むことが大切だ。

しかし実務は、この体系からそれぞれ経営に携わる者が会得して、自社に必要な読み方を考えればよいだけだ。

だから、なにもこれらを全て計算する必要はまったくない。

自社に必要な読み方を編み出すことが重要!

 

 具体的な読み方は次回に紹介する。

                                                     (次に続く)

 

 

 

« 1つ前の記事(Older Entries)   |