57.PDCAマネジメントとは

2010年7月21日

会計が読めるようになって会社の課題が明確になっても、それを改善していくためには活動をしなければなりません。そこで今回は少し趣向を変えて、PDCAマネジメントサイクルについて説明したいと思います。
PDCAマネジメントサイクルとは、計画を策定し(Plan)、活動し(Do)、目標と実績を確認し(Check)、打ち手を講じる(Action)という一連の流れをいいます。いま成功している会社(何も一流企業だけではありません)の共通事項はすべて計画を立案し、このPDCAマネジメントを愚直なまでにしっかりと回していることです。
このことは考えてみればわかることですよね。しっかり計画を立てて活動すれば会社は少なくとも今より良くなると・・。しかし現実にはこれができている会社は少ないのです。だから逆にいえば、それだけチャンスがあるというわけです。「この不況じゃ・・」と嘆いていも現状は良くなりません。現状を良くするのもしないのも、社長なのです(と私自身も私に対してそう思っています)。

PDCAにおいて重要な価値観は次の2点
1.実行が一番
一番大事なことは計画に基づいて、ともかく「実行」するということです。それが最
大の価値観です。
2.錦の御旗
組織的にPDCAマネジメントを回すためには「価値観の共有(何の為にやるのか)」
が一番重要です。

では、それぞれのステージについてポイントをご説明します。
◆P:プランニングのポイント
1.価値観を組織(全員)で共有化する
①立てた目標を達成するために立案した計画は全体の納得感が得られる内容か。
②立てた目標に社会的使命的価値があり、組織構成を成す人たちにとっても達成価値が
ある内容か。
③リターンは何か。ターゲットにも組織にも個人にも、リターン、メリットがないとい
けない。
2.「なぜ」を5回で、目標を掘り下げる
トヨタで有名な手法ですが、価値観を共有化する方法は、「何故」を掘り下げること
です。
[事例]命題 : 「顧客倍増!」
なぜ1: 会社の売上を増やすため
なぜ2: 会社の利益を増やすため
なぜ3: 社員の待遇を良くし、会社の設備投資に備えるため
なぜ4: 地域社会に貢献し、より良い商品を提供するため
なぜ5: 日本社会、世界に貢献するため
3.社内的打ち手
目標を成し遂げるために課題となる社内的打ち手を考える。
4.顧客の視点
掘り下げる方向は顧客の視点で掘り下げなければならない。
決して、社内目標の達成だけであってはならない。
5.計画(アクションプログラム)を策定する
①仮説立案 仮説があって初めて検証と活動の修正ができる。
②単純化  誰でもが行動レベルで実行できる(やらねばならないことの明確化)。
③計量化  計画の進捗管理ができる。
6.CFSとKPI
①CFS(Critical Success Factor Analysis)とは重要成功要因、目標達成までに通
過しなければならないプロセス(標識)である。
②KPI(Key Performance Indicators)とは業績評価指標、目標達成までに活動しな
ければならない活動量である。
7.時間軸
時間軸とは期限である。所定の期限までに目標達成するために、所定の行動をいつま
でに行うか。
8.工程表(ロードマップ)の作成
時間軸を横軸に、CFS・KPIを縦軸にし、誰が・何を・いつまでに行うのか明確
にする。
9.役割分担
誰がについては、ロードマップを個人別に分割して明確にする。

◆D:活動のポイント
1.リーダーは常に全員を見守る、関心を持つ
それぞれの動きを見守る。ときには声をかける。
関心を持ってもらっていることを伝えることが、最大の動機づけ。
2.報告・連絡・相談
組織に報連相を根付かせるためには受けるという姿勢ではなく「どうだった」と声を
かける姿勢が大切。
3.褒める
賞賛は知ったそのときに「おめでとう!」「すごいね!」と声をかける。後回しにし
ない。

◆C:チェックマネジメントのポイント
1.批判をしない
チェックとは、できない人・できない理由を追求することではないと心得る。
できない人・しない人については、組織として動機づけが不足していると理解する。
2.「何故」を重要視する
「なぜ、できなかったのか」を問題視する。
スキルの問題なのか、時間(仕事量)の問題なのか、効率(やり方)の問題なのかを
検証する。
3.差異を分析する
仮説と結果の差異を分析する。計画とおりにやったのに所定の成果がでない。仮説に
問題があるのか、顧客(ターゲット)の視点から考える。

◆A:リ.アクションマネジメントのポイント
1.プロセスを検討する
・仮説のプロセス(CFS)に飛躍がなかったか。
2.ツールを再検討する
・資料について問題はないか。
・目的の主旨は正しく伝わっているか。
・ターゲットオリエンテッドな内容、書き方になっているか。
3.アプローチを検討する
・アプローチの仕方に問題はないか。
・もっと最適なアプローチはないか。
4.計画の修正
・プロセスの修正、行動量の修正をする。