526.知っておきたい SDGsとは

2021年8月7日

最近よく新聞などで目にする「SDGs」という文字ですが、あまり内容をご存知でない方も多いのではないでしょうか。

また、自分には関係がないと思われている方も多いのではないのでしょうか。

しかし、知っておくと、意外と事業の方向性を考える際に参考になったり、新しい事業のヒントになったりするのが、

この「SDGs」なのです。

今回は、そんな「SDGs」をテーマにします。

 

1 SDGsとは

SDGsは「エス・ディー・ジーズ」と読みますが、「Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標」の略称です。

SDGsは、2015年9月の国連サミットで採択され、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成する

ために掲げた国際社会共通の目標です。

全部で17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットとその指標232で構成されています。

 

 

2 SDGs、17の大きな目標

(1)1~6までの目標

 1.貧困をなくそう

 2.飢餓をゼロに

 3.すべての人に健康と福祉を

 4.質の高い教育をみんなに

 5.ジェンダー平等を実現しよう

 6.安全な水とトイレを世界中に

貧困や飢餓、健康や教育、さらには安全な水など、開発途上国に対する支援のように見えますが、

実際には日本の子供たちも6~7人に1人が貧困なのだそうです。

ジェンダー(gender)とは、生物学的な性別に対して、社会・文化的につくられている性別のことをいいますが、

いまや男の役割・女の役割と決めつけてはいないということです。

そのジェンダー平等に関しても、日本は2020年12月の世界経済フォーラムでの発表によれば、

日本は153カ国のうち121位と非常に低い順位になっています。

このように、これらの目標は、日本は先進国だと思っているならば、日本でも当てはまることなのです。

この1~6の目標は、「人」として基本的な課題であり、使命とも理解できる目標です!

 

(2)7~12までの目標

 7.エネルギーをみんなに、そしてクリーンに

 8.働きがいも経済成長も

 9.産業と技術革新の基盤をつくろう

10.人や国の不平等をなくそう

11.住み続けられるまちづくりを

12.つくる責任、つかう責任

この7~12になると、エネルギーの話、働きがいに経済成長の話、そして産業界の使命や公平性の問題、まちづくりから生産者・

消費者としての責任論まで出てきます。

これらはまさに、日本が先進国であるならば、密接に関係する目標であり、率先して達成しなければならない目標です。

さらに、その中で事業活動をしている私たちも直接関係してくる問題です。

この7~12は、「企業」として積極的に関わらなくてならない目標です!

 

(3)13~17までの目標

13.気候変動に具体的な対策を

14.海の豊かさを守ろう

15.陸の豊かさも守ろう

16.平和と公正をすべての人に

17.パートバーシップで目標を達成しよう

この13~17の目標は、自然であったり、国と国の繋がりであったり、国家ベースの包括的な目標になってきます。

この13~17は、「国」として国際協調しながら達成しなければならない目標です!

 

 

3 SDGsの組み立て

SDGsは17の大きな目標と、その17の目標それぞれの169のターゲット、さらに169のターゲットの詳細な数値目標が

設定された232の指標からなっています。すなわち、次のような組み立てです。

 

17の大きな目標

                             

169のターゲット

                             

232の指標

 

※「169のターゲット」を詳しく知りたい方は コチラ をご参照ください。 

※「232の指標」を詳しく知りたい方は コチラ をご参照ください。

 

 

4 日本におけるSDGs

日本では、2016年5月20日に安倍総理が本部長として、また、すべての国務大臣がメンバーとして、

第1回「持続可能な開発目標(SDGs)推進本部会合」が開催されました。

それ以降も毎年2回同じメンバーで開催されており、その中で日本におけるSDGsに関わることが決定されています。

 

ちなみに第2回目の会合で、SDGs全体に関わる内容を以下のように述べられています。

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 持続可能な開発目標(SDGs)の実施指針を本日決定しました。

 日本は、これまで、持続可能な経済・社会づくりのため、国際社会のモデルとなるような優れた実績を積み重ねてきています。

 今回決定した指針には、経済、社会、環境の分野における8つの優先課題と140の施策を盛り込みました。

 この指針で、世界に範を示し、持続可能な世界に向けて、国内実施と国際協力の両面で国際社会をリードしてまいります。

 一点目は、国際保健の推進です。国際保健機関に対し、総額約4億ドルの支援を行う予定です。

 二点目は、難民問題への対応です。今般、新たに5億ドル規模の支援を行います。

 三点目は、『女性の輝く社会』の実現です。2018年までに総額約30億ドル以上の取組を行います。

 来年7月には、国連で我が国の取組の報告も行う予定です。

 関係閣僚においては、今後も本実施指針の下、緊密に連携し、政府一丸で取り組むようお願いします。

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 出典:首相官邸

 

SDGs17の目標は、

   1~ 6は、個人としても積極的に関わらなくてはならない目標

   7~12は、企業として積極的に関わらなくてならない目標

   13~17は、国家として積極的に関わらなくてならない目標     ともまとめられるようにも思います。

そしてこれら目標を企業の視点からとらえ直してみるといろいろな課題や方向性が浮かんでくると思うのですが、如何でしょうか?