195.競争優位に立つ PDCA(1)

2014年11月14日

第27回 PDCA(1)

「競争優位に立つ」という統一テーマでご紹介してきたマーケティング思考ですが、いよいよ最後となります。
最後は“仕上げ”です。仕上げは『PDCA』というマネジメントサイクルで行ないます。

 

1.戦略を練って活動した結果は『財務諸表』で検証する

(1) PDCAはスパイラルの如く回す
活動結果はやはり検証しなくてはなりません。そのためにはまず『目標』、計画が必要です。つまり、プランです。そして『実行』します。ドゥです。その結果を『確認検証』します。チェックです。最後は『差異対策』です。計画と実績の差異を埋めるための打ち手です。それをアクションといいます。
この一連の流れを『PDCA』PLAN-DO-CHECK-ACTIONというわけです。
大事なことは、この『PDCA』をスパイラル(渦巻き)のように、何回も何回も回すということです。PDCAを月1回と決めておられるところが多いようですが、自社の状況によっては月1回ではなく、2週間に1回、あるいは毎週回すということです。
もちろん、されていない会社が一番多いわけですが・・。

 

(2) 確認検証は月次試算表で行なう
では、なにで『確認検証』をすればよいのでしょうか? それは財務諸表である月次試算表、月次決算書です。
会社の活動結果はすべて会計に落とし込まれています。製品や商品を作るためにかかった費用、売るためにかかった費用、資金を調達するためにかかった費用、そして得られた収益や儲け、資産と負債の状況など、すべてがわかります。
これをタイムリーに入手するためには、いまや「パソコン会計ソフト」という便利なものがあります。

 

(3) 月次試算表で検証するためには財務諸表を読めることが条件
財務諸表は会社のすべての結果と問題点が提示されていますが、そのためには若干の条件があります。
①正直な月次試算表を作成する
まず第一にこのことが大事です。正直でない月次試算表をいくら分析しても正しい分析はできません。当然のことですね。
しかし、意外と私たち中小企業の月次試算表はそうでないことが多く散見されます。理由は財布の公私混同、銀行に対する見栄えの問題、あまりに強すぎる節税志向などです。また会計事務所のはき違えた思い込みもあります。はき違えた思い込みとは、皆さんが事実を曲げてまでの節税を期待されているという思いであったり、行過ぎた銀行に対する配慮です。
月次は極力、正直な姿勢で作成して業績検討に活かし、決算は記録に残るものですから、少しお化粧をするという考え方でないと、会計はまったく経営に活かせません。
②経営者として財務諸表が読める
せっかく作成した財務諸表を経営に活かすためには、経営者自身が財務諸表が読めないと活かすにも活かせません。読めるとは分析ができることです。しかし、実務の分析は試験ではありませんので、小難しい計算式を覚えることではありません。常識という尺度で、財務諸表を見て、判断することです。そのためには財務諸表の基本構造をかんたんに理解する必要があります。

経営分析は試験ではない