54.会計は経営情報の塊だ!

2010年6月27日

1.会計は自社の経営状況がすべてわかる『経営情報の塊り』だ!
経営管理、マネジメントの基本は“会計”であると言いました。その会計の基本は“月次試算表”です。月次試算表は『貸借対照表(B/S)』と『損益計算書(P/L)』から成り立っています。
この2つの会計資料をながめると、B/S資産の部には現預金の動きや売上債権の動き、さらには在庫(たな卸)の状況や固定資産の状況が載っていることがわかります。
負債・純資産の部を見れば、買入債務の動きや未払いの状況、あるいは借入金の状況などがわかります。
またP/Lを見れば売上高の状況から製造原価・売上原価の状況、さらには人件費を含む経費の状況や金利の状況などがわかります。
このように会計には経営のすべての情報が網羅されています。

2.会計はマクロ情報だけでなくミクロ情報も提供してくれる
しかし、勘定科目単位では経営の詳細な状況はわからないと思われるかもしれません。そこで会計を決算や申告のための『制度会計』から経営に役立つ『経営会計』(一般的には管理会計といいます)に切り替える必要があります。制度会計から経営会計に切り替えることは難しいことではありません。むしろ切り替えることによって会計処理自体もわかり易くしてくれます。

3.会計を制度会計から経営会計に切り替える方法
(1) 勘定科目に内訳を設ける
例えば、売掛金。通常は「売掛金」という科目1本で会計処理をされていると思います。
そして別途「売掛台帳」などを作成し、得意先別の残高管理をされている場合が多いと思います。しかし、いまや会計処理はパソコンでされているのが当たり前です。情報処理機器で処理をしているのに、売掛金という会計処理と売掛台帳の作成を以前と同じようにしているなんてナンセンスだと思いませんか。パソコンでやっているのですから、売掛金という会計処理と売掛台帳の作成を一元化すれば良いわけです。
例えば、「売掛金/売上高 105,000円」という処理を、「売掛金A社/売上高A社 10.5000円」とすれば、売掛金も売上高も得意先別に集計されます。さらにA社から入金があれば「普通預金B銀行/売掛金A社 105,000円」とすれば、A社の売掛金残高はゼロとなり、売上高だけはA社100,000円(売上集計は消費税抜きで集計される)となります。どうです、便利でしょ。
このようにすべての科目について内訳管理をします。このようにすれば、内訳単位に前年と比べて増えた・減ったなども分かります。
(2) 会計データの入力は明細で入力する
繰り返しになってしまいますが、会計データの入力は明細で入力することが重要です。例えば、2社への仕入代金を210,000円支払ったとします。これまでは「買掛金/普通預金 210,000円」とされていたかもわかりません。でも、これでは経営会計になりません。経営会計とするには、「買掛金C社 105,000円/普通預金D銀行 105,000円」、「買掛金E社 105,000円/普通預金D銀行 105,000円」というように入力します。
したがって、経営会計にすると会計データの入力数は倍から3倍程度に増えることになります。入力データが増やす(細かくする)ことによって、経営情報が得られることになります。
(3) 会計データの入力は毎日する
常に最新の経営情報を得るために、また負担を減らすためにも、会計データ入力はその都度しなければなりません。毎日、取引があるのであれば、毎日、データ入力をすることになります。そうすることによって付随的なメリットも新たに生まれます。
ひとつは現預金実残高と会計上の残高を突合することができます。それによって会計処理の精度がより向上するとともに、不正も未然に防げる(このことを専門的には内部牽制制度と言います)ことになります。
ふたつめは資金繰り実績管理もできることになります。資金繰り実績管理はリアルタイムにしないと意味がありません。そのためには会計データをその都度入力することが要件となります。

社長さん、毎月、月次試算表をご覧になっていますか?

いかがですか、あなたの会社でもできそうでしょ?会計を決算や税金のためだけにするなんて古い、古い。また会計事務所も決算や申告のためでけに活用するなんて、MOTTAINAI!
これからは経営環境は必ず良くなります。ただ以前と違うのは、「みんな良くなる」のではなく(換言すれば「護送船団方式」の時代は終わったということです)、努力した会社が努力しただけ良くなるという時代になるということです。会計はその基礎です。ぜひ、会計を経営に活かしましょう。
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