349.収益拡大の考え方②

2018年2月11日

第2回 収益拡大の方法

収益を拡大する方法は次の4つのパターンに分けられます。

 ①(人件費を除く)固定費を減らして「利益」を増やす方法

 ②付加価値を増やして「利益」を増やす方法

 ③変動費を減らして「利益」を増やす方法

 ④売上高を増やして「利益」を増やす方法

それぞれについて簡単に見ていきましょう。

 

1 (人件費を除く)固定費を減らして「利益」を増やす方法

 この4つの方法の中でもっとも簡単に利益が増やせる方法です。粗利益までが同じだとすれば、減額できた固定費の分だけ利益が増やせることができます。また顧客や取引先に関係なく社内だけで成果がだせるので、自社のやる気次第です。

 確実に成果を出すためにはポイントが4つあります。
①削減対象とする固定費に例外は設けない
②経営者自ら率先垂範する
③何を削減するのか全員がわかるようにする
④削減目標を決めたなら経費予算管理をする  です。

(1)例外を設けない

 金額の大小や固定観念、これまでの慣習などに囚われないということです。たったこれだけとか、社長の経費とか、これがないと得意先と仕事ができないとか、そういうこれまでの考え方をすべてゼロベースにして考えるということです。

(2)社長自ら率先垂範

 いうまでもなく固定費を削減するのは従業員だけではありません。社長自ら先頭に立って固定費削減を実践するということです。

 この2つの事例として、稲盛和夫さんがJALの会長時代のエピソードが有名です。
稲盛会長が伊丹空港を視察した時、カウンター勤務の若い女性社員が月額2千円のコスト削減成果を発表したそうです。その金額の少なさに困惑した周囲をよそに「そういう努力が一番大事なんだ」と稲盛会長は大いに褒め、この話がメールで社内に拡がることによって一気にコスト削減意識が社内全体に浸透したということです。
稲盛会長は「全従業員の物心両面の幸福を追求する」という経営理念を掲げたそうです。

(3)全員がわかるようにする

 車両費を減らそうとか、事務用消耗品費を減らそうとか、接待交際費を減らそうとか、そのようなお題目ではなく、具体的に一つ一つ削減する項目を明確にして削減目標を設定するということです。例えば、車両費ではなくガソリン代とか高速代、事務用消耗品費ではなくボールペン代とかコピー用紙代、接待交際費ではなく取引先との飲食代、ゴルフプレー代などとするということです。
こうすれば全員が何を節約すればよいのか具体的にわかります。

(4)経費予算管理

 これは改めていうまでもなく、その削減進捗管理を全員でするということです。PDCAサイクルです。

 

《チョッと人件費に関するアドバイス》

 いま「働き方改革」や「労働時間短縮」などで、残業を減らそうとしている企業が多く見られます。それは正しい改善の方向だと思います。但し、ただそれだけでは不十分です。一般的に現実の問題として残業手当も生活費になっているという側面を忘れないでいただきたいと思います。仮に残業がなくなり、手取りが減ると従業員のモチベーションは下がります。従業員のモチベーションが下がれば、企業の付加価値力も下がります。
したがって、残業削減と同時に昇給させるということをパッケージにして方策を練らなければなりません。

 もしあなたの会社が一部の超一流だ企業と同じような処遇をされている場合は別ですが。

 

2 付加価値を増やして「利益」を増やす方法

 これは売価・単価を上げるということです。但し、これまでの売価を上げることは難しいですから、今後の取引において何かしらの付加価値を付けて売価を上げるということです。「無理だ」と頭こなしに思わないで、どの企業の場合にもこのことは出来ます。よく考えてみましょう。

 

3 変動費を減らして「利益」を増やす方法

 これは商品仕入や材料仕入あるいは外注加工費などの変動費を減らすということです。自社でできることとしては在庫管理を徹底し、仕入を減らすということです。また仕入先を変更するということも考えられます。但し、取引先のことも考えるというバランスと品質を落とさないということも併せて考える必要があります。

 

4 売上高を増やして「利益」を増やす方法

 これは一番最後に取り掛かる課題です。収益拡大のポイントはまず物心共々の収益構造を変革して、それから売上拡大に取り掛かるということです。物心の収益構造が変わり、そのうえで売上が増えれば大きな増益を実現することができます。

 そうでないのにそのまま売上拡大志向に向かっても、前回説明したとおり、ほとんどの場合がまずます赤字のスパイラルに陥っていきます。赤字体質の原因が収益構造にあるのか、人にあるのかは、わかりませんが、そこをまず改善しないと売上拡大で赤字改善はできないということです。

 

 

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