104.黒字経営 赤字経営とは

2012年10月9日

1.赤字経営とはどういうことなのか

まず始めに、4社の3社は赤字であるという「赤字経営」について考えましょう。
赤字という状況は
売れた金額つまり「売上①」があり、それに対するかかった材料費などの「原価②」があり、さらに人件費等のかかった「経費③」があり、締めてみたら原価・経費が多くかかり「赤字④」であった という下図のような状況のことを示します。

赤字のPL

これらのことをまとめますと次のようになります。
(1) 赤字経営者に多い考え方
売上から費用を差し引いて残ったものが「利益」だと考えている。
算式で表すと次のようになります。
売れた金額-かかった費用=残りが利益(損失)
つまり、利益をコントロールしていないということです。

(2) 赤字経営者に多い戦略パターン
売上は売ってみなければわからないと考えている。

(3) 赤字経営者に多い対策思考
出当りばったりの予測もしていないので、ズレに気づくことができません。
つまり、赤字経営は「成るに任せる結果主義」と言えます。

(4) 赤字は経営とはいえない
このように多くの場合、赤字企業は業績管理をしていません。
つまり、経営とは言いがたい状況です。

赤字経営者は「売れた金額より費用が多過ぎる」と考えるのではなく、「売上が少なすぎる」と考えるのでますます赤字のスパイラルに陥ってしまいがちです。
現代は少子高齢化時代であり、近代日本初めての人口減時代であり、グローバル化時代であり、2000年で初めての労働生産人口が減っている時代なのです。
これまでとまったく異次元の時代なのです。そう都合の良いように売上は増えません。
したがって、いたずらに費用をかけてもますます傷口は大きくなります。そしてその傷口を埋めるために銀行融資に頼り、借入返済できるほど利益は確保できないので、さらに借り入れを行い、いつの間にか借金まみれになっている。これが多くの中小企業の実態です。
では、どうすれば良いのか!? 次回から黒字経営について説明します。

ご質問等はインプルーブ研究所まで。お気軽に。