189.競争優位に立つ ランチェスター戦略

2014年10月6日

第21回 中小企業にとってのランチェスター戦略(2)

前回、ランチェスター弱者の基本戦略は『差別化』であるとご紹介しました。
第2回めの今回は、その『差別化戦略』について、詳しくご紹介します。

 

◆ランチェスター戦略の基本戦略「差別化戦略」

1.局地戦
これは「差別化戦略」第1の戦略です。
広い地域ではなく、狭い地域で取りかかる。 一度にやろうとするのではなく、一つずつやる。
そんなイメージです。強者が手を出せない”死角”“ニッチ”を狙う戦略とも言い換えられます。
つまり・・
>>>>局地戦とは、限られた経営資源を集中投下することです!

 

2.接近戦
これは「差別化戦略」第2の戦略です。
顧客の遠くにいないで近くにいる、間接販売より直接販売です。
あるいは、不特定多数より継続性のある贔屓客、顔のわかる顧客に育成するのがポイントです(「お客様」と呼ぶより名前をお呼びするようにするなんていいですね)。顧客は個客です、一人ひとりのお客様と付き合う気持ちで接客することがポイントです。ついつい、one of htem、お客様を集合的に捉えていませんか?お客様にとっては一人ひとりがお客様です。
つまり・・
>>>>接近戦とは、お客様との親密性強化です!

 

3.一騎打ち
これは「差別化戦略」、第3の戦略です。
一騎打ちとは1対1の戦いに持っていくということです。1対1とは「どこの、だれに、なにを」を掘り下げます。
「どこ」とは、全地域ではなく、細分化した特定の地域です。例えば、出店は半径1キロ以内に同業者が1店しかない場所を選び、なるべく近い場所に出店するなどです。
「だれ」とは、顧客を絞り込みます。例えば、顧客内シェアの高い上得意先を大事にする営業活動をするなどです。
「なに」とは、フルラインナップより品目を絞ります。例えば、品揃えを多くすると考えるよりも、バリエーションを増やすことを考えます。
つまり・・
>>>>一騎打ちとは、規模の大小を消し去ることです!

 

4.一点集中
一点集中とは、地域を絞る、顧客を絞る、製品を絞るなどです。
地域を絞るとは、営業地域を30分以内の地域にするとか、広い場合には核となる顧客を中心点として集中的にアポイントを取るようにします。
顧客を絞るとは、万人受けを考えず、一つの業界に特化するとか、ある客層に集中するようにします。
製品を絞るとは、売れている商品や流行の商品に絞ります。
つまり・・
>>>>一点集中とは、逆説的にいえば、やらないことを決めることです!

 

5.陽動作戦
陽動とは、かく乱とかその気にさせることをいいます。顧客のプライドをくすぐるとか、口コミを活用するなどが考えられます。
つまり・・
>>>>陽動作戦とは、お客様をその気させることです!

 

 

このように挙げれば、当たり前のことが多いと思います。
しかし、その当たり前のように思われることを、真剣に考え直している企業、特に中小企業には少ないのが実情です。
ぜひ、自社にとっての局地戦・接近戦・一騎打ち・一点集中・陽動作戦とは、何なのか・・一度、考えて見られればどうでしょうか?
考えることはタダなのですから、損はありませんよ