116.借入金依存度の知り方

2012年11月12日

3.自社の借入依存度を知るには
中小零細企業における借入金とは、短期借入金・長期借入金・割引手形の3つという説明をしました。
一方、有利子負債とは、短期借入金と長期借入金の2つだけと説明しました。
覚える余裕がある場合は借入金と有利子負債の違いを認識していただければ良いと思いますが、実務的には借入金と有利子負債を同じに考えられても支障はないと思います。
それよりも「自社の借入金依存のチェックの仕方」をマスターする方が大事です。チェックの仕方は3通りあります。
(1)自社にとって借入金が過大ではないかどうか
(2)自社の借入金返済能力はどうか
(3)事業資本として過度に借入金依存になっていないか
以上、3つです。では、その一つ一つについて説明しましょう。

(1)自社にとって借入金が過大ではないか
借入金のボリュームは“平均月商”と比べてチェックします。
すなわち、 借入金÷平均月商 という算式でチェックします。
このことを、総借入金対月商倍率と呼びます。
これが年間売上高以上あれば「借入金はかなり多い」と自覚された方が良いと思います。
6ヶ月前後であれば「要注意」、3ヶ月以内であれば「正常」です。
なお、金融機関は3ヶ月以内をひとつの基準として融資決済時の判断指針としています。

借入金対月商倍率

(2)自社の借入金返済能力はどうか
会社にとって、MAX値の返済原資は“年間営業利益+年間減価償却費(このことを償却前営業利益といいます)”とされています。
営業利益に変えて経常利益で考えられても良いかと思います。
本来、償却前営業利益は、利息返済の原資であり、納税資金原資であり、積立利益の原資であり、そして借入金返済原資です。したがって、償却前営業利益のすべてが返済原資ではありませんが、敢えてそれを全額返済原資として考え、MAX値の返済能力を確認します。
すなわち、 有利子負債(借入金でも構わない)÷年間償却前営業利益 という算式はチェックします。
このことを、債務償還年数と呼びます。
これが10年以上になれば明らかに「返済能力に問題あり」です。
7年前後あれば「要注意」、5年未満であれば「正常」です。
よく考えてみてください。借入金は何年返済で借りているのですか?
運転資金であれば1年程度ですね。設備資金であれば7~8年ですかね。
なお、金融機関は10年以内をひとつの基準として融資決済時の判断指針としています。

債務償還年数

(3)事業資本として過度に借入金依存になっていないか
事業資本の源泉は自己資本と他人資本です。他人資本のひとつとして借入金があります。借入金があまりに多いと金利負担もバカになりません。そこで自己資本と借入金のバランスを見ます。
すなわち、 有利子負債÷純資産×100 という算式でチェックします。
このことを、ギアリング比率と呼びます。
これが100%ということは、有利子負債と純資産(自己資本)が同額であることを示します。
これが500%以上であれば「借入金依存症」と自覚された方が良いと思います。
200~300%前後であれば「要注意」、100%以下であれば「正常」です。

ギアリング比率

この3つのアングルから自社の借入金をチェックしてみてください。

ご質問等はお気軽にインプルーブ研究所まで。