125.会計識字力 総資本読み方

2013年8月30日

第2話 貸借対照表(B/S) 総資本(負債・純資産)

 貸借対照表、B/Sって何だかご存知だろうか?会計資料である財務諸表の中で最も重要なものです。よく、「B/Sは会社の財政状況を表しています。」と言われますが、具体的には事業に要しているお金をどこから調達し、何に使っているか(運用と言います)を表しています。

 お金の調達は“負債””純資産”の形で表現されています。

 純資産とは自己資本のことです。つまり、資本金と事業を通じて稼いだ繰越利益です。まず、純資産が資本金以上あるのか、それともないのか、確認をしましょう。もし、純資産が資本金以下であれば、どうであれ、あなたの事業には問題があることを示しています。純資産が資本金以上であれば、成功の度合いはともかく、あなたの事業はうまく行っていることを示しています。事業はうまく行っていれば、必ず利益、儲けが出るはずです。つまり、純資産は資本金以上あるということです。しかし、うまく行っていなければ赤字ということになり、繰越利益は損失となり、資本金を減らす結果となります。どうですか?あなたの会社の純資産は資本金以上ですか、それとも資本金以下ですか? それを先ず見ます。
これが第一のポイントです。

 次に負債です。負債とは金融機関や取引先、あるいはあなた自身や社員から借りている債務です。そういうことから、他人資本とも言います。これが純資産以上あれば、「ビジネスで調達してるお金は半分以上が借金である」ということになります。いくら立派なオフィスや広い土地など(これらを資産といいます)を持っていても、その半分以上の財源は借金ということになります。家計で喩えれば、たとえ立派なお屋敷に住んでいても、その半分以上は借金をしているということです。これが大変多いというのが、いまの会社の一般的な状況です。会社業の多くが自己資本は2割程度以下、借金である他人資本が8割以上と言う感じです。想像してみて下さい・・。あなたは立派な家に住んで一見豊かそうな生活をしているけれど、実は借金まみれであるということを。それは「異常なことである。」と容易にわかります。そのような会社が世の中に実に多いというのが現実です。やはり、改善していかないといけないと思いますよね。

 さらに負債を深く見てみる。負債にはすぐ返済しなければならない債務と、そうではない債務があります。会計の世界では、それを1年以内に完済しなければならないものと、1年以上かけて完済すればよいものに分けています。前者を流動負債と言います。後者は固定負債と言います。特に資金繰りの悪い会社は「すぐ返しますから・・」といってお金を借りるしかありません。そうすると、結果、流動負債が多くなります。
これが第二のポイントです。 流動負債と固定負債のバランスはどうですか。

 さて、最後に、もう一度、ご自分の会社の貸借対照表を見てください。
①純資産は資本金以上ありますか? それとも以下ですか? 以下であれば問題です。
 何しろ、あなたの事業は儲かっていないのですから。
②借金である負債の状況はどうですか? 流動負債が固定負債よりもはるかに多ければ
 資金繰りが厳しい状況です。取引先にも迷惑をかけているかもわかりません。
 ぜひ、チェックをしてみてください。