53.経営の基本は会計にあり!

2010年6月16日

リーマンショックの危機を何とか乗り越え、日本経済も一息つけるかと思ったら、今度はギリシャショックの到来です。場合によっては、EUショックに拡大するかもわかりません。いずれにせよ、先行きがホントに不透明な時代です。今後、日本の大きな経営環境の変化として、次のようなことがあげられると考えています。

(1) 日本経済成長は、3%~5%程度の復活基調となる
⇒これから世界が必要とする技術のほとんどが日本に集まってます。
(2) 円は、円高基調で推移する
⇒これから必要な技術力に加え、日本には豊富な資金力があります。
当然、世界の通貨に対して円高となっていきます。
(3) 株価は、乱高下しながらも実質株高基調となる
⇒円高基調のため、名目株価はそれほど上がりませんが、
実質的には日本株は株高となる。
(4) デフレ傾向はまだ続く
⇒まだ内外価格差があります。
それに対して物価はまだ当分のあいだ、是正方向へ動きます。
(5) 努力を続ける企業が大きな成長を成し遂げる
⇒戦後復興期は終わっています。したがって護送船団方式のような、
景気回復=全企業の業績回復とはなりません。
経済、景気は良くなりますが、努力する企業だけが成長することになります。

そこで、いま重要なことは何か、わかりますか。 それは“会計”だと言われています。

1.“会計知識”なくしてマネジメントはできない時代
6月10日付、日本経済新聞コラム『大機小機』にそれに関連した内容が掲載されました。それによれば
(1) 日本企業の経営は大きな転換期を迎えている
⇒中国、韓国をはじめとするアジアの企業が台頭している。
(2) “会計”は企業経営のインフラである
⇒会計には、現預金、売上債権、在庫、固定資産、買入債務、借入金、売上、
売上原価、製造原価、給与、経費など、企業のすべての情報が入っている。
(3) 会計知識なくして企業経営はできない
⇒経営実態の重視、B/S重視など、トップ自らの会計知識なくしては、
経営者としての判断ができない。
(4) B/Sにこそ真の改善がある
⇒損益計算書からは利益体質の改善は生まれるが、
企業体質、財務体質の改善は貸借対照表にある。
(5) キャッシュフローやB/S中心の経営に転換する
⇒先行き不透明な時代の津波に飲み込まれないためには
資金管理と貸借対照表管理経営が重要。

そして“時”は、 いま です。

2.決算書よりも“月次試算表”が大事
企業経営の記録としては決算書が残ります。その意味では決算書はもちろん大切です。
しかし『企業体質の改善』という意味では決算時には決算対策しかできません。決算対策とは応急措置です。決算直前に対策を講じるのですから、それは致し方がないことです。
そこで企業体質の改善や財務体質の改善には“月次試算表”がたいへん重要になります。企業体質や財務体質を改善するには時間がかかります。決して応急的な措置では改善できず、根本的に継続的に治療をする必要があります。それには月次対策と定点観測することが大事です。
そのためには経営者自らが会計を理解でき、月次試算表を読みこなせ、対策を講じられることが必要となります。

社長さん、毎月、月次試算表をご覧になっていますか?