473.自社の環境分析方法 HAFL分析

2020年7月19日

これまで、外部環境分析はマクロ分析PESTと業界分析5フォースで漏れなく行い、それをSWOTの「機会」と「脅威」に

落とし込むことを紹介してきた。

では、内部環境分析である「強み」と「弱み」を漏れなく行い、把握する方法はないのだろうか?

それが今回のテーマだ。 それは『HAFL(ハーフル)分析』という。

 

HAFL(ハフル)分析とは

企業の資産は、よく「ヒト・モノ・カネ・情報」という言い方がされる。

これを見方変えると、これらの因子が企業にとっての重要な内部環境分析になるというわけだ。

それは、それらの頭文字をとって、『HAFL(ハフル)分析』と呼ばれる。

1 H:Human resources

ヒューマン・リソース、つまり「人材」のことだが、ポイントは自社の人材について表面的なことだけを分析するのではなく、

もう少し掘り下げて、「自社の人材のポテンシャルを分析する」という姿勢を持つことだ。

たとえば、「うちには営業力がない、ある」とか、「うちはやる気がない、ある」とか、そういう表面的なことだけではなく、

「秘めたチャレンジ精神がある」とか、「容易には屈しない探求心、タフさがある」とか、「固定観念に囚われない発想力がある」

など、氷山の下にあるものも見ようとする姿勢だ。

中小企業はどこでも「人材」は限られている。したがって、上辺だけを見るのではなく、隠れた資質を掘り下げて、人材を評価する

ことが大切だ。これは大企業にはない、中小企業の経営陣と従業員との密着度を活かすことだ。

さらに、そのような姿勢がまた、人材を活性化していくことにもつながっていく。

 

2 A:Assets

アセット、つまり「資産」のことだが、機械設備や情報設備、ソフトウェアなどに加えて、技術力も含まれる。

これは比較的、分析しやすいと思われるが、「何か別のことにも転用できないだろうか?」という、別次元の発想も重要だ。

資産の中には必ず「自社の技術力」も含まれるので、それを忘れずに分析することが重要だ。

 

3 F:Funds

ファンド、つまり「資金」のことだが、これは中小企業の一番弱いところでもある。

しかし、このファンドは自己資金だけで捉えるのではなく、金融機関からの支援も併せて分析することが大切だ。

そのように考えると、常日頃の金融機関とのコミュニケーションや信用力アップ作戦なども課題として思い浮かんでくる。

 

4 L:Literacy

最近、よく聞くようになって来た「リテラシー」という言葉だが、本来は「読み書き能力」のことを言う。

つまり、識字とか、識字率という言葉と同義語だ。

しかし、ここではそれをもう少し広く解釈し、「使いこなせる能力」という意味で理解することが大切だ。

「何を使いこなせる能力のか」といえば、それはITであり、英会話などだ。

これからは中小企業も、ITは使いこなせなくてはならない。これは必須要件だ。

アプリケーションソフトはもちろんのこと、ウェブサイト、クラウドコンピューティングなど、それが深く使えこなせればこなせる

ほど、大きな武器となる。

また英会話も必須となってくる。これから取引は国内市場だけではなく、海外市場にも必ず広がってくるからだ。

さらに、会計やマーケティング、統計に基づく分析など、中小企業だからこそ、使いこなせなくてはならないと考えるべきだ。

 

5 HAFL分析の必要性

中小企業において、HAFL分析は、なぜ、行う必要があるのだろうか?

それは中小企業という言葉が示すとおり、経営資源が少ないからだ。

このような分析は「大企業には必要だろうが、中小零細のわれわれには必要がない」といわれる中小企業経営者が多くおられるが、

それは大きな勘違いだ。

少ない経営資源しかないからこそ、それらを一つ一つ大切にして、大企業よりも活かすという考え方をしないと、

これからの企業社会の中では太刀打ちはできない。

政府も最近、「中小企業の減少を容認する」と政策転換したことは報道されているとおりだ。

したがって、中小企業だからこそ、自社の内部環境を把握することが大切なのだ。

このHAFL分析は、内部環境を網羅的に(MECE)、洗い出せる自社の内部環境分析手法だ。

 

自社の内部環境、経営資源状況を分析して、その対策を講じていくことは、自社の競争力や存在感を高めることにつながる。

中小企業であるわれわれは、大企業とは違い、大変弱い存在だ。

だ・か・ら・こ・そ、中小であればあるほど、このような内部環境分析を行い、できる限りの対策を講じることが大切だ。

それがまた『環境適応適応戦略』と言われるものにもつながっていく。

 

 

 

戦略を考えるにあたって重要なことは、『思い込み』なるものを打ち破ることだ。
私たちは思いのほか、思い込みに囚われて、生活や仕事をしている。
そして、その結果が「いま」であることを忘れてはいけない。
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