142.会計識字力 利益を増やす

2013年12月11日

第19話 利益を増やす、利益の増やし方(2)

2.費用を減らして利益を増やす
費用には売上原価、販管費、営業外費用、特別損失、法人税等の税金の5種類ある。利益を増やすためには売上原価と販管費を抑えることが重要だ
(1)在庫管理の強化
売上原価は『商品仕入』と『製造原価』に大別できるが、まず余計な仕入をしないことが肝心だ。そのためには在庫管理が重要となる。
(2)商品、材料を安く買う
次に仕入値を抑えることだ。相見積を実施する、共同で仕入する、インターネットで安いところを検索するなど、いろいろな方法は考えられるはずだ。
(3)社内習慣を変える
さらにその他の経費を抑えることが考えられる。但し、これらのことは単に“削減する”というアプローチだけではなく、「社内習慣を変える」という考え方をする必要がある。例えば、郵便代を抑えるためにメール化する。しかしそのためにはメールアドレスの整備や相手に対して変更通知や社内スキルを上げなくてはなりらない。なので“邪魔くさい”ことばかりがその前に横たわっている。だから実行しない会社が多くある。したがって「経費を抑えるとは社内の習慣を変えることになる。このことを忘れてはならない。
(4)仕事のやり方を変える
最後に人件費、特に残業代を抑えることが考えられる。残業を少なくするためには仕事のすすめ方を変えるという考え方をする必要がある。例えば1日の仕事を始める前に、今日やることを箇条書きにしてから仕事を始めるようにする。たったこれだけのことで仕事の効率と集中力が違い、残業代は減らせる。しかしなかなかこの仕事のやり方を変えることがなかなか全員に定着しない。常に“これまでとは違う”という面倒臭さがその前に横たわる。だからこそ、ここに他社と大きな差がつく要因がある
(5)積極的に経費を活用する
いままで圧縮削減することばかりに目を向けていたが、場合によっては先行投資やヒト・モノ・カネの資源再配分をするという積極的な費用の活用も必要である。つまり選択と集中で、選択した範疇においては集中的に費用をかけることも利益を増やすことにつながる。

ここまで考えるとおわかりになるかと思うが、費用を減らすとは、経営革新に他ならない。経費削減もバカにしたものでないことをおわかりいただけたかと思う。

(続く)