357.Marketing Five Forces

2018年4月6日

Five Forces分析(ファイブフォース分析)

 

Five Forces分析は、市場分析をする手法だ。
新商品を出すにあたって、あるいは新規事業を始めるにあたって参入しやすい市場なのか、それとも厳しい市場なのかを推測する。その推測を5つの側面からするので、ファイブフォース(5つの力)分析と呼ばれている。

この手法は、競争戦略とも呼ばれている基本戦略で有名な、ポーターが提唱した手法である。

          <市場に働いている5つの力>

5フォース

 

1 Five Forces(5つの力)とは

市場で働いている5つ力とは、「業界内の競争」であり、「新規参入者の脅威」、「代替品の脅威」、「買い手(お客・得意先)の交渉力」、「売り手(仕入先)の交渉力」である。
もともと新規事業立ち上げ時の競合分析として考えられているが、既存事業の分析ツールとしても活用でき、その活用範囲は広い。

 

2 市場に存在する5つの力

(1)新規参入者の脅威

新規参入者の脅威は「参入障壁の高さ」によって決まる。参入障壁が高ければ参入しにくいので業界内の新しい競争は生じにくい。
逆に参入障壁が低ければ新しい競争が激化することが予想される。
例えば、東京都では2012年10月からフグ調理師がいない飲食店でもフグ料理は提供できるようになった。その途端に競争は激化し
われわれは手頃な価格でもフグ料理を賞味できるようになったことは記憶に新しいところだ。
主な参入障壁には、規模の経済性、必要資本額、確立されたブランドに対する顧客のロイヤリティ、経験曲線効果、デファクトスタンダード、政府の規制、資格などが挙げられる。

(2)業界内の競争

一般的に同業者が多いか、同規模の会社が多く存在している業界や成長が遅い業界、固定コストまたは在庫コストが高い業界、撤退障壁が高い業界などは業界内競争が激しくなると言われている。代替品の脅威や競争相手の買収などにより、業界内競争の激しさが急変するので注意したい。
例えば、税理士業界。いままで資格と規制で守られてきたが、昨今では低成長によるパイの奪い合い、さらにはフィンテックやAIによるテクノロジーにより劇的に競争が激化すると予想される。

(3)代替品の脅威

代替品の脅威は自社とは異なる商品群でありながら、自社商品と同等以上の価値を提供するものによってもたらされる。
例えば、欧米の砂糖メーカーは、砂糖の代替製品である果糖分の多いコーンシロップが大量に販売されたことにより、甚大な影響を受けたと言われている。

(4)買い手の交渉力
買い手は、同品質なら低価格なものを、同価格なら高品質なものを購入したいと考える。当然のことだ。したがって価格と品質は、買い手の購入量や情報量などによって変化する。
一般的に独占的なもの、希少的なものであれば買い手の交渉力は弱くなるが、コモディティ品であれば買い手の交渉力が強くなると考えらえる。
例えば、建売住宅や注文住宅であれば比較的購入者の価格交渉力は弱いが、賃貸物件になると利用者の価格交渉力は強くなる。

(5)売り手の交渉力

売り手は業界内の企業に対してできるだけ高い価格で供給したいと考えるので、売り手と企業の間には必然的に力関係が発生し、業界構造に影響を与える。
例えば、売り手側が少数の企業による独占状態であれば、売り手の交渉力は強くなる。逆に提供元が多ければ弱くなる。

 

この5つの観点から業界を見直してみると、いままでと違った競合、対策、戦略が見えてくる。

 


 

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