472.自社の環境分析方法 PEST分析

2020年7月10日

『SWOT分析』とは、自社を取り巻く経営環境を外部要因と内部要因に分けて、機会と脅威、強みと弱みを分析する手法でした。

『5フォース分析』とは、自社を取り巻く外部環境の業界に絞り込んで、業界内部・新規参入・代替品・買い手・売り手の5つの

影響する因子に分けて、外部環境をさらに詳細に分析する手法でした。

今回は自社を取り巻く外部環境を、マクロ的な視点から分析する手法を紹介します。 それが『PEST(ペスト)分析』です。

PESTとは、政治(ポリティクス)、経済(エコノミー)、社会(ソサエティ)、技術(テクノロジー)の頭文字4文字から

名づけられた名称です。

1 Politics(政治)とは

Politicsとは、規則、法律、政策、外交など、自社の事業を規制する法律や政治動向などよって引き起こされる外部環境です。

たとえば、消費税の改正、石油・漁獲量の問題、働き方改革やパワハラの問題、規制緩和や社会保険料の問題など、

最近でもさまざまな問題が生じています。

それらの中に、自社の事業にとって、いい影響と悪い影響を考えます。

 

2 Economy(経済)

Economyとは、物価、雇用、経済成長、景気動向、為替レート、金利など、自社の事業に影響を引き起こす、

経済に関する外部環境です。

たとえば、アメリカと中国の貿易摩擦、TPPなどの貿易協定、人手不足や定年制の延長制など、さまざまな問題があります。

それらの中に、自社の事業に影響を及ぼすものはないのか?ということです。

 

3 Society(社会/文化/ライフスタイル)

Societyとは、生活様式や志向、ブーム、社会問題、人口動態、教育、価値観など、自社の事業に影響を及ぼす

社会変化に関する外部環境です。

たとえば、寿命の長寿化や高齢者の急増化、会計の不正問題、生活様式の変化、インバウンドなど、さまざまな問題があります。

また最近では、新型コロナウイルス感染拡大によるテレワークの普及やソーシャルディタンスの問題、さらには東京オリンピック・

パラリンピックが本当に開催されるのか、されないのか、そして2025年の大阪万国博覧会の開催、リニアモーターカー開通時期、

いずれ誘致されそうな冬季オリンピックなど、社会の変化での経済的なインパクトは見逃せません。

それらの中に、自社の事業に影響を及ぼすものはないのか?ということです。

 

4 Technology(技術)

Technologyとは、新発見、発明、開発、特許、技術革新など、自社の事業に影響を及ぼす技術産業界で起こっている

技術動向に関する外部環境です。

最近は何といっても、AI進展と浸透とEV車の普及・自動運転技術の向上です。

AIは本当にどのようなスピードで進展・普及していくのかしていくのか、わかりませんが、

サービスや業務のあり方を大きく変えそうです。

さらにインターネットスキルの向上による、日常生活への浸透化も見逃せません。

EV車も今後どのようなスピードで切り替わっていくのか、わかりませんが、想像以上に早くに移行していくのでしょう。

そうすると、自動車業界は電機産業界に変わるのかもわかりません。

また、ガソリン業界にも当然大きな影響が出そうですが、もっと多くの業界に大きな影響が及ぶのでしょう。

自動運転も高齢化が進んでいますので、予想以上に早く向上し、普及していくものと考えられますが、

そうするとモータリゼーションの概念を大きく変えるのでしょう。

これらは間違いなく、『シンギュラリティ』を到来させるのだと思われます。

 

5 PEST分析の必要性

では事業経営において、PEST分析は、なぜ、行う必要があるのでしょうか?

自社の事業は、常に世の中全体の変化、つまりマクロ経営環境に大きく影響を受けていることは否定できません。

ということは、自社の事業環境や経営環境を把握するためには、中長期的な視点から自社を取り巻くマクロ環境を把握・推測する

ことが大切ということです。

このPEST分析は、マクロ的な環境要因を、網羅的に(MECE)洗い出せる、自社の環境分析手法です。

 

自社を取り巻く外部環境をマクロ的に分析して、対策を講じていくことは、自社の競争力や存在感を高めることにつながる。

中小企業であるわれわれは、大企業とは違い、たいへん弱い存在だ。

だからこそ、中小であればあるほど、このような環境分析を行い、できる限りの対策を講じることが大切だ。

それがまた『環境適応適応戦略』といわれるものにつながっていく。

 

 

 

戦略を考えるにあたって重要なことは、『思い込み』なるものを打ち破ることだ。
私たちは思いのほか、その思い込みに囚われて、生活や仕事をしている。
そして、その結果が「いまである」ことを忘れてはいけない。
だから、違う結果を得たいならば、その『思い込み』を打ち破るしかない。
インプルーブ研究所は『思い込み』を打ち破るお手伝いをします。

 

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