281.420万社の経営者に役立つ会計の見方 セクション1

2016年10月15日

いま、上場企業・大企業を除く企業経営者は全国で約420万名と言われています。

 

その多くの企業では景気がいま一つ芳しくない中で、前回「中小企業の経営承継」で紹介したとおり、経営承継すらできない厳しい

経営を続けておられます。

いま必要なことは、そのような状況において、経営の操縦術を駆使し、難しい飛行を続けながらも、安定飛行化させて、できるなら

次世代に経営を継承できるようにすることです。

 

そこでいま注目されていることが、「会計」を経営に活かすことですが、書店でそのような書籍を求めても、「どれもわかったよう

でわからない」とか、「いま一つピンと来ない」とか、「理屈はなんとなくわかるが、実感としては理解しにくい」などと思われて

いる方が多いのではないのでしょうか・・。

 

それもそのハズです。理由は明白で、それはすべての書籍がタイトルはどうであれ、上場企業や大企業あるいは株式投資する人など

を前提に書かれているからです。

どれもこれも上場企業や大企業、株式投資家を前提にした会計本だからです。

 

そこで今回は日本の企業数の99.7%を占める420万社の中小企業経営者とその社員の方を前提に、実際の経営現場で活かせる

超実務的な会計の見方をご紹介していきます。 参考になれば幸いです。

 

 

セクション1 BS/PLは「3つの表」から構成されている

1.試算表や決算書は3表からできている

ふつう、月次試算表や決算書は「貸借対照表」と「損益計算書」の2表から成り立っていると説明されています。

しかし、実務的には「2表」ではなく、「3表」からできていると理解すべきなのです。

3表とは、BSの「総資本」と「総資産」、それにPLの「損益」の3表です。

 

2.見る順番は「総資本→総資産→損益」

ふつうは、損益を中心に見られ、総資本や総資産はあまり見られていません。

ひどい場合は、専門家の会計事務所でさえ「BSはあまり見る必要はありません」と言っている場合があると聞きます。

しかし、経営上の問題や課題の情報を多く提供してくれるのはBSなんです。

また経営危機の警鐘を鳴らしてくれるのもBSなのです。

したがって、見る順番は、総資本→総資産→損益の順です。

経営者でそのある限り、ぜひ、その習慣を身につけてください。

 

3.総資本は何を表しているのか

総資本には『負債』と『純資産』が表示されています。

 負債とは、自社が借りている資金ですから「借金」のことです。 だから『他人資本」とも言います。

 純資産とは、自社で用意した「自己資金」のことです。 だから『自己資本』とも言います。

つまり、総資本は、自社の事業で使っている「資金の出どころ」を表示しているわけです。

したがって総資本をみれば、自社がどこから資金を捻出・調達しているのかがわかります。

もちろん、シンプルに考えれば、すべて自己資金で捻出しているのが良いわけです。

 

4.総資産は何を表しているのか

総資産には、事業資金で購入しているモノ『資産』が表示されています。

難しい言い方をすれば『資金の運用』が表示されています。その資産は『流動資産』と『固定資産』に分けて表示されています。

 流動資産とは、動く資産という意味ですから、原則1年以内にキャッシュ(現金・預金)にできる資産です。

 固定資産とは、動かない資産という意味ですから、原則キャッシュ化できない資産です。

つまり、総資産は、集めた事業資金を「何に使っているのか」を表示しているわけです。

したがって、総資産をみれば、自社が資金をどのように運用しているのかがわかります。

シンプルに考えれば、上場企業や大企業とは違いますので、中小企業は極力、流動資産、それも現預金で運用していることが

一番安全で、一番良いといえます。

 

5.損益は何を表しているのか

損益は「自己資金の源泉」が表示されています。

大海へ注ぐ河川もその源を探れば、山頂の源流にたどり着きます。

と同様に、資本金を除く自己資金(繰越利益)もその源流を探れば、それは『売上高』です。

売上高という水が『売上原価』というものに吸収され、残った水が『売上総利益』になります。

さらに売上総利益という水は、『販売費および一般管理費』というものに吸収され、残った水が『営業利益』になり、

営業利益という水は『営業外損益』に吸収されたり増水されたりして、『経常利益』になります。

そして最後に『法人税等』を納付し、『当期純利益』という形で貯水されていくわけです。

損益には、売上高に始まる自己資金の流れが一部始終、表示されているわけです。

したがって、損益をみれば、当期純利益という貯水が残っていく流れがわかります。

シンプルに考えれば、同じ源流量であっても、売上原価や販売費および一般管理費などという吸収するものが少ないほど

当期純利益という貯水量が増えることがわかります。

あるいは源流量が増えて、吸収するものがそれ以上に増えない場合にも、当期純利益という貯水量が増えることがわかります。

 

次回からは少しずつ詳しく説明していきたいと思います。 おたのしみに!

(次回へつづく)