106.黒字経営 黒字の要諦

2012年10月11日

3.黒字経営の要諦

黒字経営の要諦は3点です。
(1)経費は可能限り削減する
①経費削減はお客様や取引先との関係はありません。経費削減は社内努力だけで成果が出せる課題ですから、遠慮・配慮は要りません。
②人件費以外は特に社内の利害関係もありません。したがって、まずは「人件費」以外の経費削減から取り組むべしです。
③経費削減のポイントは「経費削減に科目もヒトも聖域なし!」です。
④経費削減目標は金額で設定し、経費執行管理を行います。
削減額は1円から。日航が再上場に当って、紙コップに名前を書いて繰り返し使ったとか、備品には原価札をつけていたとか、部品を拭くのに社員の着古しのTシャツを使っていたとかは有名な話です。年商1億円企業の100円は年商1兆円企業であれば100万円に当ります。中小企業であれば1円から削減すべきだと思います。

(2)原価は可能な限り抑える
①原価抑制もお客様には関係なく、取引先もあまり関係がありません。したがって、原価の抑制も社内努力である程度の成果が出せる課題です。
②原価抑制のポイントは「実地棚卸」、「在庫管理」、「仕入回数増」と「発注ロット少量化」の4つです。
③原価抑制の目標は対売上高比率で設定します。「目標、売上原価率5%抑制!」など

(3)売上アップは最後の課題です
①売上アップ策は自社の思い通りにはなりません。商品を買うか、買わないかはお客様が決めることです。
②売上アップ策は費用だけを増やすことに終わることもあります。つまり、売上を増やすためには仕込が先となりますので、売上アップの結果に関わらず、確実に費用を増やします。
③売上アップ策は資金不足を招くこともあります。なぜなら、売上回収よりも仕入・経費の支払が先となるからです。
④売上アップ策は赤字販売を招くこともあります。どうしても売上を増やすための無理な販売は値引きを伴うことが往々にあるからです。
⑤売上アップ策は不良債権を招こともあります。どうしても売上を増やそうとするあまりに与信を無視する場合があるからです。
⑥売上アップ策は単価アップ売れる仕組み作り(マーケティング)を考えることが大切です。単価アップは数量アップと違い、費用の増大を伴いません。
したがって、売上アップは一番最後の経営課題です。

黒字経営の要諦は、少ない売上でも利益がでる『収益構造の改善』です。
次回は必要な黒字額を考えます。

ご質問等はインプルーブ研究所まで。お気軽に。