122.借入金依存度改善処方箋

2012年12月10日

9.借入依存を改善するための処方箋
「借入依存の見方と処方」も最後となりました。最後は借入依存にならない為の処方箋です。

(1)固定観念を捨てる
これは借入依存の解消だけに止まらず、経営改善の極意ですが「固定観念を捨てる」ということです。
①これまでの社内常識を捨て去る
ともかく、これまでがあって現在こうなってしまったわけです。したがってこれまでの常識を捨てる」ということが大事です。
②発想の転換
次に「そんなこと無理だよ」「できないよ」ではなく、「どうしたらできるのか」を考える姿勢を持ちましょう。

(2)全員の力で難局に当る
①総合力が雌雄を決する
もう一人だけの力だけで経営改善することはできません。そうです、社長一人の力だけではできません。社員の方、パート・アルバイトの方、みんなの力で勝負する時代です。
②全員が財産
その全員のやる気が取引先への信用力となり、お客さまへの魅力となります。会社の一番の財産は社員をはじめ全員です。

(3)借入依存度を下げる経営とは
①借り入れを減らす
当たり前ですが、借入金を減らすことです。財源はどこにあるのか?それは意外と固定資産にあります。遊休資産がありませんか?車両、機械、器具そして土地、会員権・・。よく見渡しましょう。
②新規借入をしない
これも当たり前、新規借入をしない。そのためには利益ポテンシャルを増加させ、回収に努めることが大事です。
利益ポテンシャルは次の算式で計ります。
利益ポテンシャル=限界利益÷在庫金額
ああああああああ=(限界利益÷売上高)÷(売上高÷在庫金額)
ああああああああ=限界利益率÷在庫回転率
あああああああああ※限界利益率とは付加価値を産み出す力の大きさと言えます。
あああああああああ※在庫回転率とは在庫が入替る速度と言えます。
③手持資金を増やす
手元資金(現金・預金)を増やすことです。そのためには売掛金を回収する、在庫を減らす、経費を削減する、売上を増やすことが大切です。
④1回当たりの返済額を減らす
返済のハードルを下げることです。具体的には銀行にリスケ交渉し、1回当たりの返済額を減らしてもらいます。

(4)借入依存度を改善する処方箋・発想
①経営の3原則
「経営の3原則」を守る。経営の3原則とは、在庫を減らす・売掛金を減らす・買掛金はゆっくりと支払うです。
②高回転経営
少ない資金を高回転で回す「高回転経営」。例えば、1回当たりの仕入を押さえ(少ない資金)、仕入回数を増やす(高回転)ということなどです。
③設備投資の基本
「設備投資の基本」を守る。設備投資の基本とは、営業キャッシュフロー内の投資を基本とするということです。
④PDCA
「PDCA」を回し続ける。つまり、回り続けるコマは倒れないということです。

最後の経営の3原則、高回転経営、設備投資の基本、PDCAは借入依存を改善することに限りません。経営全般に通じることです。実はここに経営改善の重大性があります。一つの経営改善は多くの経営改善に繋がっており、その経営改善は外部改善にも繋がり、事業の繁栄をもたらしてくれます。

ご質問等はお気軽にインプルーブ研究所まで。