220.経営技術「競争の戦略」

2015年6月22日

競争の戦略 -5つの力と3つの基本戦略-

競争戦略とは1980年マイケル・ポーターによって提唱された経営戦略論の古典ですが、いまも私たちの事業戦略を考える際にとても参考になる考え方です。具体的には「5つの力(ファイブフォース)」という業界分析を通じて、競争優位がつくれる状況にあるかどうかを判断し、そのうえでどのような「基本戦略」を選ぶべきかを考えます。

 

■5つの力(Five forces)とは

1.新規参入者の脅威

新規参入がしやすければ会社にとって脅威となります。
たとえ魅力的な市場であっても次々と参入者が現れ、供給能力が増えば価格競争となり、利益性は低下します。
そのため「参入障壁」の存在は重要です。

2.代替製品の脅威

代替できる製品や商品あるいはサービスなどがあると会社にとって脅威となります。
たとえ業界内の競争が緩やかでも同じような機能の商品が台頭すると需要を奪われるため、値下げで対抗せざるを得なくなります。

3.買い手の交渉力

買い手とはお客様、消費者、得意先のことなどをいいます。買い手の交渉力が強くなると商売はしにくくなります。
つまり、売り手が多数で買い手が少数という場合、需給のバランスからみて買い手の価格交渉力が高まります。
たとえば、ウィンテルPCは多くのパソコンメーカーに採用されたがため、逆に価格競争に陥れざる得なくなりました。

4.売り手

売り手とは仕入先のことをいいます。売り手が強いと仕入れ交渉が思うようにできなくなり商売はしにくくなります。
つまり、原材料生産者や卸売先が少ない場合、需給のバランスからみて売り手の価格交渉力が高まります。
たとえば、iphoneはアップルからしか購入できませんから、値崩れもせず、統一した価格でしか売れません。

5.業界内の競争関係

そのような結果、業界は成り立っているのですが、過当競争の結果、誰かが撤退すれば競争は緩やかになります。
しかしそこに撤退障壁がある場合は過剰な供給能力が残りますので、値崩れなどによって利益性が低下することになります。

 

・こうした要因を理解して競争環境の緩やかな場所にポジショニングすれば、資金調達コストを上回る利潤をあげることがより容易になります。したがって、ポーターは「ポジショニングこそが戦略だ」と提唱しました。

・ポーターの枠組みに沿えば、参入障壁は高く、撤退障壁は低く、代替産業との距離は遠く、川上や川下よりも業界の交渉力が高い状況にあることが望ましいということになります。
つまり、参入しにくく、撤退がしやすく、代替産業との距離は遠く、売り手や買い手よりも業界の交渉力が高い状況にある業界が望ましいということです。

・日本の場合は市場規模や市場成長性だけで魅力度を判断する傾向が強いといわれています。

 

■「3つの基本戦略」とは・・複数を追うより一つを貫く

ポーターは競合に打ち勝つ方法は次の3つのパターンに大別でき、各々に一貫した原理があるので複数を追うより一つを貫くべきだと提唱しています。

1.コストリーダーシップ戦略

コスト面でリードできれば競争激化しても自社の利益性は相対的に守ることができます。
ただし、技術変化や新規参入など環境変化に弱いという欠点を持つ場合が多い。

2.差別化戦略

製品機能やイメージなどで特長をもつことができれば相対的な高価格が維持でき同質化も回避できます。
ただし、そこだけに頼ると極端な低価格攻勢や模倣された競合には優位を守れなくなる危険があります。

3.集中戦略

特定の市場に経営資源を集中し優位を達成すれば、その分野への新規参入は限定され利益性は守れます。
ただし、市場を限定するので全体的に大きなシェアは取れません。
またターゲットとする市場の特異性が薄まれば、全体の市場で優位に立つ企業との競争に巻き込まれる危険性を持ちます。

 

・かつての日本企業は「いいもの(=差別化)」を「安く(=コストリーダーシップ)」で海外市場を席巻しましたが、現在はより低コストのアジア企業の台頭によって苦戦を強いられています。

 

 

さて、如何ですか‥、いろいろ考えるところあるいは不明な点が合ったかもしれませんが、そのことが今大事なのではないのでしょうか。考えて商売、事業をする。そのこと自体が大事なような気がします。