407.図解 事業戦略策定 23

2019年3月29日

戦略論の第9回は、ピーター・ドラッカーの「マネジメント」です。

『マネジメント』は、「経営学の父」と呼ばれるピーター・ドラッカーの著作です。

企業をはじめとするさまざまな組織は、マネジメント層の運営によって成果が生み出される。

したがって、マネジメントこそが「社会の要」であると、ドラッカーは言っています。

また、そのマネジメントは「実践」と「行動」によって、だれでもが、学べるものだとも言っています。

そして、社長の最大の仕事は、変化を作り出すことだとも言っています。

ぜひ、私たちも実践と行動によって、マネジメントを学び、変化を作り出して明日の世界に活躍できる事業にして行きましょう。

 

1 企業の目的

ドラッカーは、企業の目的は「顧客の創造」と言い切っています。

そのために重要なことは、『マーケティング』と『イノベーション』です。

しかし、ドラッカーがいうマーケティングとイノベーションは、私たちが日ごろ思いこんでいる、そんな大袈裟なものではなく、

だれでもが実行できるものです。

(1)マーケティングとは

マーケティングとは、広告宣伝だけではありません。また、大企業でないと実行できないものでもありません。

要は、顧客を理解し、営業しなくても自然と売れていくような状況を作り出すことを意味します。

つまり、「日々、お客さんを念頭に置いて創意工夫し続けよう!」ということです。

(2)イノベーション

イノベーションもたんに「技術革新」だけのことを指すのではなく、自社にとって、これまでやってこなかった変革を指します。

時代はどんどん変わっているわけですから、同じことを続けていれば、どんな事業であっても、やがては廃れていきます。

なのに、私たちは一日千秋のごとく、同じことをやり続けているのではないのでしょうか。

 

2 自社の事業の定義 

事業定義は、「顧客からスタートすべき」とドラッカーは説いています。

①まず、「本当のお客さまはだれか?」ということです。顧客の定義は、会社が決定すべきことです。

②次に、「そのお客さまはどこにいるのか?」という問題です。会社で決定した顧客をさらに明確にします。

③その次には「そのお客さまは何を買うのか?」という問題です。それを考えることで、お客様に提案することが可能になります。

④最後に「そのお客さまは何に価値は感じるのか?」という問題です。それを考えることで、商品の魅力度がさらに上がります。

やってみないと「正解」はわかりません。だから「実践」と「行動」によって学べると、ドラッカーは言っています。

こんなエピソードをドラッカーは紹介しています・・・。

  ある缶製造業の経営者にドラッカーが聞きました。 ーあなたの会社の事業は何ですか?ー

  それに対し、経営者はこう答えたといいます。   -缶の製造です。-

  ドラッカーは聞き返しました。          -容器の製造ではないのですか?-

いかがでしょうか、「缶の製造」と「容器の製造」・・。事業の定義で、事業の幅が大きく違ってくると思いませんか。

 

3 多角化の考え方

ドラッカーは「多角化(市場拡大)の考え方は2通りしかない」といいます。

ひとつは、会社が持っている「共通の市場」をもとに、事業・技術・製品サービス・活動を統合する考え方です。

もうひとつは、会社が持っている「共通の技術」をもとに、事業・市場・製品サービス・活動を統合する考え方です。

一般的には、前者の「共通の市場」をもとに考えたほうが、成功しやすいと言われています。

さらに、イノベーションの着眼点として、次の7つの機会を挙げています。

 ①予期せぬ成功と失敗

 ②ギャップ

 ③ニーズ

 ④産業構造の変化

 ⑤人口構造の変化

 ⑥認識の変化

 ⑦新しい知識

これらの着眼点が、自社にイノベーションをもたらす機会となるということです。

 

4 マネジャとトップマネジメントの役割はちがう

当然といえば当然ですが、課長と社長の役割は違います。そこで、そのポイントを次のように述べています。

(1)マネジャの役割

マネジャとは「部下の仕事に責任を持つ者」ではなく、「組織の成果に責任を持つ者」であるということです。

「権限」の前に、「責任」があるということです。そこで、マネージャのポイントとして、6点あげてます。

 ①問題ではなく、機会に目を向けよう

 ②人の強みを引き出し、人の弱みを無意味にしよう

 ③いま必要なことと、将来必要なことのバランスをとろう

 ④机上の学問より、実践と行動を優先しよう

 ⑤真摯さ

 ⑥失敗を恐れない

(2)トップマネジメントの役割

ドラッカーはトップマネジメントの役割として、次の3点を挙げています。

 ①自社の事業は何であるべきかを考える

 ②基準と規範を定め、率先垂範する

 ③組織とその組織風土を作り上げる

それらが「自ら変化を作り出すことにつながる」と言っています。

さらに、計画については、次のようなアドバイスをしています。

 ①明日、何を行うかではなく、明日のために今日、何を行うかを示す

 ②過去を廃棄する、決別する

 ③網羅的ではなく、メリハリをつける

 ④イノベーションの目標を盛り込む

 ⑤実行推進責任者と期限、成果の尺度を設定する

 

 

ドラッカーのマネジメントは少し抽象的ではありますが、だからこそ考えさせられるところが多くあります。

私たちは小さな会社ですが、だからこそ、ドラッカーがいう「マーケティング」と「イノベーション」を成し遂げれば、

飛躍的に変革できると思われませんか!? 「マネジメント」は、実践と行動によって、誰でもが学べるものなのです。

 

 

戦略を考えるにあたって重要なことは、『思い込み』なるものを打ち破ることです。

私たちは思いのほか、思い込みに囚われて、生活や仕事をしています。

その結果が「いま」であることを忘れてはいけないと思います。

違う結果を得たいと思うのであれば、『思い込み』を打ち破るしかありません。