91.財表基本知識 B/Sの構造

2012年9月26日

3.貸借対照表(Balance Sheet)の基本構造

B/Sは左右に分けられます。

(1)総資本
右には負債純資産が表示され、併せて総資本と呼ばれます。
①総資本とは「総ての資本」という意味であり、資本とは「資金の本」という意味です。
「資金の本」である資本には2種類あり、一つが他人資本であり、もう一つが自己資本です。
②他人資本とは借金・債務のことであり、1年以内に返済しなければならない借金・債務のことを流動負債といいます。
1年以内に返済しなければならない流動負債には、支払手形、買掛金、短期借入金、未払金、未払費用などがあります。
1年を超えて返済して良い借金・債務のことを固定負債といいます。
1年を超えて返済して良い固定負債には、長期借入金や役員借入金、長期未払金などがあります。
③自己資本とは返済しなくて良い資本であり、純資産といいます。
純資産には資本金と繰越利益剰余金などがあります。

総資本は流動負債、固定負債、純資産の3種類に分けられていることを覚えましょう。

(2)資産
左には資産が表示されています。
①資産とは「資金で産んだもの」という意味です。
総資本を元手に産んだもの、つまり購入したものは2種類あり、一つが流動資産であり、もう一つが固定資産です。
②流動資産とは1年以内に資金化でできる資産、財産のことです。資金とはかんたんにいえば、現預金のことです。
具体的には、現金、預金、受取手形、売掛金、棚卸資産などがあります。
③固定資産とは1年を超えて資金化できる資産、財産のことです。
具体的には機械、建物、車両、土地などがあります。
その2つに加えて、重要性の原則から詳しい説明はしませんが繰延資産があります。

資産も総資本と同様、流動資産、固定資産、繰延資産の3種類に分けられていると覚えましょう。

(3)総資本・資産は資金の調達と運用を表す
これらを資金の側面から見ると、総資本(負債+純資産)は資金の出所でもあるので、資金の調達・源泉ともいいます。
資産は資金を使っている状況でもあるので、資金の運用・使途ともいいます。

ここでは詳しくは説明しませんが、B/Sが示す会社の財政状況とは、会社の資金調達と資金運用状況であり、それを読み解くと会社の経営課題や問題が見えてくる。

B/Sの基本構造図

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