489.主な戦術論 戦術論のまとめ

2020年11月7日

ここまで中小企業が採れる戦術論を下記のとおり紹介して来ました。

 1.戦術には外せない『4P』と『4C』

  ・企業の立場からは4P プロダクト・プライス・プレイス・プロモーション

  ・顧客の立場からは4C カスタマーバリュー・カスタマーコスト・コンビニエンス・コミュニケーション

 2.商品価値の考え方である3密を避ける『バリュー・プロポジション』

 3.より商品価値のみがき方である『戦略キャンパス』

 4.その商品価値の思考経路である『6パス』

 5.販売促進のポイントは13.5%のアーリー・アダプターの攻略『キャムズ理論

 6.戦術遂行に伴う組織改革のポイント7つのS『組織分析のフレームワーク7S』

 7.社内のやる気を高める『二要因理論』 動機付け要因と衛生要因

この他にも戦術論は数多くありますが、ここまでのご紹介した戦術論のまとめを以て、このテーマは一応終了とします。

これまでのことをわかりやすくまとめると、次のようになります。

 1 戦術にこれは外せない!                 4Pと4C

 2 顧客価値はありきたりのことを避ける!          バリュー・プロポジション

 3 顧客価値をさらにみがきをかけてキラリ光らせる!     戦略キャンパス

 4 戦術のヒントは他にあり!                6つの経路

 5 販売促進には壁があることを理解し、その打開策を備える! キャムズ理論

 6 組織は戦略・戦術に従う!                組織分析のフレームワーク7S

 7 遂行するのはヒトだ!                  二要因理論

では、そのひとつひとつを再確認してみましょう。

 

1 戦術にこれは外せない! 4P/4C

4Pとは「製品・価格・流通・販促」のことでした。

非常に差別化が難しいといわれ、護送船団方式の業界でもある、会計事務所で考えればこのようなイメージです。

 製品  会計事務所の製品といえば、税務・記帳・決算・申告です。

     しかし時代も変わり、環境も変わり、果たしてそれでいいのかという状況になっています。

     4Cから見れば「それで顧客価値があるのですか」ということになります。

 価格  一般的に月次3万円、決算6カ月分といわれる会計事務所の料金ですが、顧客規模や顧客ニーズがいろいろある中で、

     それでいいのかという状況になっています。もっとフレキシブルに考えることが求められています。

     4Cから見れば「それで顧客がコストパフォーマンスとして満足いくものですか」ということになります。

 流通  顧問先は近隣周辺というのが一般的ですが、ICTが発達したいま、「近く」というハードルはどんどん低くなって

     います。日常的には空間的な距離は関係なくなって来ています。

     4Cから見れば「それで顧客利便性は充足されていますか」ということになります。

 販促  会計事務所業界ではすでに広告規制が撤廃されていますが、しかし業界内ではいまでも実質的に規制されています。

     一部ではテレビ、ラジオ、新聞や大相撲懸賞旗などを通じて広告されているところもありますが、しかし業務柄、

     いまでも紹介が中心です。今後はパブリシティ的な方法も考えられると思います。

     4Cから見れば「それで顧客市場とコミュニケーションが取れていますか」ということになります。

感覚的に4Pと4Cの考え方がお分かりいただけたでしょうか。    

 

2 顧客価値はありきたりのことを避ける! バリュー・プロポジション

製品の顧客価値はありきたりのものでは、結局、価格競争にならざるを得ません。

ですから、これまでの顧客価値を少し同業者とずらすことがたいへん重要となります。

例えばある程度の高級家電であれば、製品とアフターフォローをセットにすることで、差別化することが考えられます。

街角の家電店あれば、無償修理の上限を決めて、保証期間を長くすることなどが考えられます。

量販店であれば、その仕組みを作らなければならないこと、またサービスレベルを保つことなどさまざまな難解なことがありますが

街角の家電店であれば、まず顧客が近いこと、そしてコミュニケーションが直接取れていること、さらにサービスの品質も自分さえ

気を付ければ保てることなど、家電量販店の同様サービスよりも付加価値をあげることが可能です。

 

3 顧客価値をさらにみがきをかけてキラリ光らせる! 戦略キャンパス

その顧客価値が、顧客にとって分かりやすく(明快さ)、同業者との違いがハッキリしているか(明確さ)など、

顧客価値にさらにみがきをかけることが重要です。

それを『戦略キャンパス』で確認することができます。

 

4 戦術のヒントは他にあり! 6つの経路

さて、そんなことがなかなか思い当たらない場合はどうするか?

その方法が「6つの経路」でした。

①代替商品を見てみる、②すごいと思っている同業者を見てみる、③顧客をよく観察してみる、④自社の製品を取り巻くものをよく

見てみる、⑤機能ばかりでなく感性からも見てみる、⑥業界や商品の将来を想像して考えてみる。

この6つ思考経路から再考すると、新たなヒントが見えて来るということです。

 

5 販売促進には壁があることを理解し、その打開策を備える! キャムズ理論

さて、新しく考え直して商売を始めましたが、うまく行くとは限りません。

むしろ、うまく行かない場合の方が多いかもわかりません。 だからそんなことは折り込み済みです。

そんな場合は、もう一度、これまで考えてきたことを振り返ります。

これも、道筋を立てて考えてきたおかげで振り返ることができるわけで、大きな利点です。

そこに問題がなければ、①いま一度顧客の評価に耳を傾けてみる、②そして小さな改良を積み重ねる、③また他の客層に際しては

カスタマイズし直してその客層に対する付加価値をつけていく、ということです。

ここまで論理的に商売を展開すれば改善も容易になり、また同業ではやっていないことなので、必ず勝利できます。

 

6 組織は戦略・戦術に従う 組織分析のフレームワーク7S

新しいことをやるには、組織を変更することが必要になる場合もあります。

そのことから「組織は戦略・戦術に従う」というわけです。

そこで、これまでの体制から組織変更することには「大変骨が折れる」ということを知っておくことが大事です。

仕組みはある意味、形あるものですから簡単に変えることは可能です。

しかし、ヒトに関わることはそう簡単にはいきません。

前者を「ハードのS」といい、後者を「ソフトのS」といいます。

かんたんなハードのSは「社内の仕組み・組織構造・戦略」の3つです。

むずかしいソフトのSは「経営理念の浸透、組織風土、人材育成、能力向上」の4つです。

知っておきましょう。

 

7 遂行するのはヒト! 二要因理論

最後にこれらを遂行するのは、経営者でもありますが、多くは最前線にいる従業員である「ヒト」です。

そこで、経営を営む者として「不満と満足は同じ軸にはない」ということを理解しておくことが大事です。

つまり、「満足の反対は不満ではない」ということです。

満足の要因は「動機付け要因」といい、仕事の達成感・やりがいや仕事を通じた承認とか、責任とか、その結果の昇格昇進、

そして、自己成長ということです。

不満の要因は「衛生要因」といい、環境に関することです。会社の方針や理念、給与水準、対人関係、労働条件、職場環境そして

会社の安定雇用などです。

このことを知っておけば、ヒトのヤル気を増幅させることができます。

 

 

マーケティングは、企業間のこと、顧客間のことだけではなく、マネジメントの仕方などについても多くの理論があります。

それが「マーケティングとは企業活動全般に関する理論である」と言われる所以です。

時代の進展とともに社会は複雑化しており、中小企業経営といえども、これからはマーケティングをもって挑むことが大切です。

ぜひ、自分なりにマーケティングを経営に生かしていこうとする意欲が大切です。

常に経営を革新し、永続的に続く企業経営目指しましょう。

 

 

 

戦略を考えるにあたって重要なことは『思い込み』なるものを打ち破ることです。

私たちは思いのほか、思い込みに囚われて生活や仕事をしています。

そして、その結果が「いま現在である」ということを忘れてはいけないと思います。

違う結果を得たいと思うのであれば、『思い込み』を打ち破るしかありません。

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