323.380万中小企業のT/B②

2017年8月5日

第2回 B/S「総資本の部」の見方

第2回の「380万の中小・小規模企業にとってのT/B(試算表)の見方」は、B/S(貸借対照表)の「総資本の部」です。

 

1 総資本の部は「事業資金の出どころ」

総資本の部とは、「負債」と「純資産」を合わせた呼び方です。

この総資本は「事業資金の出どころ」を表しています。 まずこのことを覚えておきましょう。

事業資金の出どころのことを「資金の調達」とか、「資金の源泉」とかと言います。

では、負債と純資産について順を追って説明します。

 

2 負債

(1)負債とは

負債とは、自社が他社あるいは金融機関、さらには経営者であるあなたから借りている資金「借金」です。

①他社という意味では、買掛金や支払手形などの買入債務がそうです。

②金融機関という意味では、短期借入金や長期借入金などが該当します。

③経営者であるあなたからという意味では、役員借入金や長期未払金などが該当します。

④その他に、未払費用や預り金、仮受消費税などがあります。

 

(2)負債は2つに分けられる

負債はその返済期間の長さで、「流動負債」と「固定負債」の2つに分けられています。

財政状況を正しく判断するためには、負債をこの2つに正しく分類することが大事です。

①流動負債とは、原則、1年以内に返済・支払しなければならない借金のことを云います。

 買掛金や支払手形、短期借入金、未払費用、預り金、仮受消費税などが該当します。

②固定負債とは、1年以上かけて返済・支払する借金のことを云います。

 長期借入金や役員借入金、長期未払金などが該当します。

固定負債であっても、その中で1年以内に返済・支払する部分は「短期○○○○」として、流動負債に分けます。

 たとえば、長期借入金であれば、返済期間がたとえ7年間であっても、そのうち1年分は1年以内に返済しなければなりません。

 その部分を長期借入金とは分けて、「1年以内返済長期借入金」として流動負債に分類します。

 何故そうするのかと言いますと、そうしないと正しく財政状況が判断できなくなるからです。

④これら負債のことを、自己資本に対して「他人資本」ともいいます。

 《チョッと横みち》

 会計事務所の多くは「決算書を作成するための試算表」と位置付けていますので、

 そのような処理は「どちらでもよい」と考え、「1年以内返済長期借入金」という科目をあまり使いません。

 ですから、そのような会計を単なる帳簿と見做している前近代的な会計事務所に顧問を依頼されている場合は、

 ちょっと考え直された方が良いかもしれません!?

 

3 純資産

純資産は比較的新しい用語で、「資本」と言った方が馴染みがあるかもしれません。

いずれにせよ、純資産とは、自社で用意した「自己資金」のことです。

したがって、自己資本という言い方もするわけです。

その主なものは、資本金と繰越利益です。

①資本金とは創業当初に出資された出資金です。

 この資本金は1千万円を超えると、その額によっていろいろ税制面が変わってきますので、

 そのような場合には、事前確認された方が良いを思います。

繰越利益とは、会社にとって貯蓄です。これが少ないと、自己資金で設備投資などをすることができません。

 ですから繰越利益が少ないと、借金に頼る会社経営になってしまうわけです。

③繰越利益を貯めていくためには、必ず税金を納めなくてはなりません。

 節税ばかりに気を取られてしまうと、繰越利益を貯めることができませんから、要注意です。

 やたら節税ばかりを勧める会計事務所に顧問を依頼されている場合は、これも要注意です。 

 

現在はただ一生懸命、商売・仕事をしていれば事業が継続できる時代ではありません。

それだけ世の中の変化は激しく、早くなっています。それが、高度成長後の現代、成熟社会だと思います。

ぜひ、いま一度経営というものを考え、会計で経営技術を高めましょう。

-------------------------------------------------

インプルーブ研究所は、ITウェブサイトとマーケティングおよび経営会計で貴社の発展に尽力します

-------------------------------------------------