482.主な戦術論 商品・価格・流通・販促4P

2020年9月18日

 これまでいくつかの戦略理論を紹介して来ました。

戦略を「経営や事業の工夫」というならば、戦術は「事業の具体的な方法」といえます。

戦略とは、どのような作戦をもって事業を進めるかです。

そこでその第1回は、耳にされている方も多い「商品政策、価格政策、流通政策、販促政策」いわゆる『4P』を紹介します。

 4Pとは

  1.プロダクト  :自社の製品や商品、サービスのこと

  2.プライス   :価格やその支払方法のこと

  3.プレイス   :どのようにお客様にモノを流すのかという流通経路のこと

  4.プロモーション:販売促進や広告宣伝のこと

この4つの頭文字から取ったものです。いずれも「P」から始まりますので、『4P』と呼ぶわけです。

 この4Pは、マーケティング戦術の定番であり、米国マーケティング学者のエドモンド・ジェローム・マッカーシー(Edmund

Jerome McCarthy)によって、1960年発案されました。アメリカという国はホントにいろいろなことを考える国です。

この4Pは戦術論というより、作戦を考えるにあたって「必ず、考えなくてはならない項目」と捉えた方がスッキリするかも、わか

りません。

 

 

1 Product 製品や商品あるいはサービス

プロダクトとは、自社の製品や取扱商品あるいはサービスのことを指します。

大切なことは、自社内の視点からだけではなく、顧客の視点に立って客観的に考えるということです。

その顧客の立場でみて「価値」があるのか、あるのであれば「それは何なのか」ということです。

その観点からさらに自社の製品・取扱商品・サービスを見直し、磨きをかけます。

 

自社では良さがわかっていても、顧客は意外とわからないということがたいへん多い!

 

 

2 Price 価格や料金

プライスとは、価格そのものであったり、さらに割引制度や支払方法などまでも含みます。

顧客から見ればコストですから、なるべく魅力な価格で、そして購入しやすい支払方法などを準備することが大切です。

また、価格設定には次のような考え方があります。

 1.べネトレーション・プライシング(Penetration Pricing)

 ペネトレーション・プライシングとは、シェア獲得を目的に、価格を原価以下又は原価とほぼ同等に抑える価格設定方法です。

 いわゆる「破格の価格設定」とも言えるものですので、他社に追随を断念させるという効果があるといわれています。

 そのような価格設定ができる前提としては、経験曲線効果あること、規模の効果あることが挙げられており、他社では採算が

 取れなくても、自社なら効率的に生産できる熟練度や販売できるスキルがあるので、相当の販売量さえあれば、採算が取れる

 という価格設定の考え方です。

 2.スキミング・プライシング(Skimming Pricing)

 スキミング・プライシングとは、新製品を販売するに際してなるべく早く資金回収することを目的にした価格設定の考え方です。

 通常は、製品ライフサイクルの初期段階では価格を高く設定しますので、「上澄吸収価格設定」ともいわれています。

 他社が簡単には参入できない場合、高い価格設定をしても需要がある場合などに適用します。

 

価格を安く設定できるのは、熟練工がいて効率的に生産ができ、大量販売が可能な

つまり、大企業だけです!

 

 

3 Place 流通経路

プレイスとは、流通させる経路や流通させる範囲、あるいは店舗の立地や販売形態などのことをいいます。

顧客から見れば「利便性」がポイントとなります。

欲しいときにすぐ買える、近くにある、などが重要要素であり、さらには販売方法が直接販売なのか、特約店や代理店などによる

間接販売なのかということも影響します。

 

Placeとは場所だけではなく、モノの提供経路やコク客の利便性を考えることです!

 

 

4 Promotion プロモーション

プロモーションとは、販売促進方法のことですが、具体的には広告メディアやホームページ、メールマガジンなどのことです。

いい方を変えれば、顧客とのコミュニケーション方法ともいえます。

最近では業務の効率化を図るために、電話応対をしないようにしている企業も大手IT企業を中心に見られますが、ターゲット顧客

層によっては、逆にそこが狙い目になることもあります。ただし、電話応対のしかたが大切になりますす。

またメディアも地上波テレビや新聞・雑誌など、従来であればコスト的に大手企業にしか利用できませんでしたが、

最近ではテレビもBS、CS、8Kなど多種多様化しており、さらにYouTubeやリスティングなどの手法もあります。

 

プロモーションには顧客のプライドをくすぐることが大切です!

 

この4Pは、戦術のチェックポイントでもあり、避けて通ることはできません。

この4つの観点から販売の工夫を考えて、お客様やマーケットに自社のモノを効果的に届けるための戦術を考えれば、

いままでと大きく違う、事業にすることができるかもわかりません。

いま一度、自社の4Pを振り返られてはいかがでしょうか。

現状を改善するには、いままでとは違うことをしなければなりません。4Pはそんなときに役立つ戦術の考え方です。

 

 

5 逆から考える4C

4Pはどちらかといえば、自社の立場(企業の立場)から戦術を考える方法です。

その逆の立場から考えるのが「4C」です。

4Cとは、顧客価値(Customer Value)、コスト(Cost)、利便性(Convenience)、コミュニケーション(Communication)

のことです。

この4Cと4Pは対になっており、この4つの観点から見直してみると、4Pの検証にもなります。

 

 

戦略を考えるにあたって重要なことは『思い込み』なるものを打ち破ることです。

私たちは思いのほか、思い込みに囚われて生活や仕事をしています。

そして、その結果が「いま現在である」ということを忘れてはいけないと思います。

違う結果を得たいと思うのであれば、『思い込み』を打ち破るしかありません。

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