590.実務的な経営分析 手元資金

2022年11月6日

 私たちはなぜ、毎日、会計処理を行い、「月次試算表」や「決算書」を作るのでしょうか?

ひとつは「税務申告があるから」ということにあるのでしょう。

しかし、それよりも大切なことは「毎日の経営に活かす」ということです。

そのように会計を活かしている企業はどちらかといえば少ないように思われますが、

しかし、堅実な経営を続けている企業は必ず会計を日々の経営に活かしているということもまた事実です。

 

 そのためには月次試算表をただ作成するだけでなく、作成した月次試算表や決算書が読めなくてはなりません。

その読み方のことを「経営分析」とか「財務分析」というわけです。

今回からは、そんな試算表や決算書の読み方である「経営分析」を実務的な立場で紹介して行きます。

 

 なお、「会計を読む」という意味では、「決算書を読む」ことと思われている方が多いかも知れませんが、

時代の流れが早い現在においては、「月次試算表を読むことである」と認識を変えておきたいものです。

 

 

1 自社のキャッシュの状況を読む

 自社のキャッシュとは、現金と預金の合計金額のことをいいます。

売上債権は近くキャッシュになる存在ではありますが、まだキャッシュではありません。

売上債権はその前に「確実に回収すること」に意識を置きたいものです。

 

 では、自社のキャッシュの額をどう読めば良いのでしょうか?

それは事業における「毎月の生活費」と比べることです。 毎月の生活費とは「平均月間売上高」です。

 

 事業は、この「平均月間売上高」をもとに原価コストを支払い、そして人件費やそのほかの経費を支払う。

さらに借入金があれば借入金利も支払い、残った利益を「経常利益」という。

その経常利益の中から納税や借入返済を行い、そして残った金額が貯蓄(内部留保)になるという仕組みになっている。

ただし、債権回収が出来ないと実質の「平均月間売上高」は少なくなってしまうので、しっかり回収することが大事になる。

 

 キャッシュの状況を読むには、そのような「平均月間売上高」何か月分のキャッシュがあるのかが重要なポイントであり、

またそれ指標に、手持ちキャッシュを高めて行かねばならない。

 

 さて、問題は、平均月間売上高に対してどのくらいキャッシュがあればよいのだろうかということである。

一般的には2カ月分とか3カ月分とか言われているが、数年前のコロナ感染のときのことを振り返れば不十分なように思われる。

大企業では内部留保の充実に努めているが、私たちの事業においても、もう少し積み上げていきたいものです。

ただし、内部留保の充実と従業員の給与水準とのバランスにも気を配るべきだと思われる。

 

自社のキャッシュ状況を読む=(現金+預金)÷平均月間売上高=何か月分