364.マーケット戦略 マーケティングミックス

2018年5月26日

マーケット戦略 マーケティングミックス 4Pと4C

現代は、売上高を増やすことが大変難しい時代となっている。
いろいろなモノが溢れ、さまざまなモノも存在し、そのうえ市場は高齢少子化し、人口それ自体も減少し始めているという背景が
そこにある。

さらにそのような中で、将来に対する不安感から消費は減退化しており、かつ多様化や経済格差も顕在化し、大変複雑な成熟した
社会構造となっている。

そこで、企業経営においても、「ただ頑張る」とか「まじめに働く」というだけでは、思いとおりに売上高は増えなくなっている。
いまこそ、従来からの企業経営に加えなければならないことは「創意工夫」であり、それを『戦略』という。
だから『戦略』とは難しいものではなく、小さなビジネスほど強く求められているものである。
そこで、これから『マーケット戦略』という統一テーマでいろいろな収益拡大の考え方を紹介し、小さなビジネス企業の売上高拡大のヒントに供したいと思う。

 

その第1回は『マーケティングミックス』だ。別名、4Pと4Cとも呼ばれる。
マーケティングミックスとは「どうやって売るか」の ”どうやって” の部分だ。
4Pとは
①Product(プロダクト) ②Price(プライス) ③Place(プレイス) ④Promotion(プロモーション)の4つを指す。

いわゆる、供給者としての企業からの視点、創意工夫だ。
4Cとは
①Customer Value(カスタマーバリュー) ②Cost(コスト) ③Convenience(コンビニエンス) ④Communication(コミュニケーション)の4つのことを指し、需要者である顧客からの視点、創意工夫だ。

これら両者の視点から「どうやって売るか」の ”どうやって” の部分を考える。

 

4P4C

 

1 『プロダクト』と『カスタマーバリュー』

①『プロダクト』とは、企業の製品・商品あるいはサービスや業務のことであり、絞り込んだ顧客(ターゲット)を念頭に置いて、
機能、品質、デザイン、提案、見せ方、ブランド、保守アフターサービスなどを考える。
②一方『カスタマーバリュー』とは、今度は顧客の立場で、それらが本当に顧客にとって魅力あるものかどうか、振り返ることだ。

こうやって、提供者と顧客の両者の立場から考えてみると、意外と提供者である企業の思いが、実は一方的であったりすることに
気づかされる。しかし、最も多いのが「そんなことをまったく考えたことすらない」ということである。
このように、プロダクトとカスタマーバリューについて考えることは、大きな差別化をつける隙を生じさせることができる。
たとえば小売業であれば、品揃えや陳列あるいは見せ方や雰囲気、説明の仕方などによって他店と大きな差をつけることができる。

 

2 『プライス』と『コスト』

①『プライス』とは、文字どおり「提供価格」のことだが、これも支払条件や決済方法、割引方法などを組み合わせることによって
大きな差別化が可能だ。また少々低価格に設定しても、アクションマトリクスの考え方を取り入れれば利益を産み出す方法はある。
②一方、顧客にとっては、販売価格は費用であり『コスト』となる。
その価格設定、割引条件などは顧客に魅力的かどうか、顧客の立場で振り返ってみる必要がある。
そこまで「プライスに関して考えてきたかどうか」ということがまず大事だ。

 

3 プレイスとコンビニエンス

①『プレイス』とは、「流通」という意味だが、販売チャネル、納品方法、立地条件、在庫など、広い概念だ。
さらに現在は、インターネット販売も非常に重要だ。これがスタンダードになる日は近いと思われる。
②これを顧客の視点で考えれば、『コンビニエンス』利便性となる。
欲しいものがある、すぐ来る、都合の良い場所にある、何時でも買えるなどだ。しかし、欲しいものがある、すぐ来るは品揃えや
在庫の問題ともなるので注意しなければならない。
そこでコンビニエンスを掘り下げる必要がある。つまり、すぐ来るとは、行けばある、すぐに来るということだが、大事なことは「顧客の期待時間内に届く」ということだ。つまり、期待時間を延ばすことさえできれば、必ずしも“すぐ・いま”ということでは
なくなる。
また立地条件もインターネットであれば、必ずしも便利なところにあるということではなくなってくる。
いま、プレイスとコンビニエンスは技術革新ですごく変化をしている。その変化に気付いて対応していることが重要だ。

 

4 『プロモーション』と『コミュニケーション』

①『プロモーション』とは、販売促進のことだが、言い換えれば、供給者側からの顧客に対する働きかけだ。
方法としては、広告、チラシ、POP、ダイレクトメール、口コミ、ネット広告などがある。
しかしその内容はといえば、実に一方通行的なものが多く見られる。つまり、顧客に通じていない、訴求力が低いということだ。
②それを顧客の立場からみれば、『コミュニケーション』であり、意思疎通ということになる。
ところがこれもありきたりなメッセージが多く、顧客にはまったく通じていないことが多い。
その最たるものが「ホームページ」だ。
小規模企業ではまだホームページを開設していないところが多くあるようだが、現代の事業にとってはホームページは常識だと
考えたい。ホームページがないということは、ビジネスにはもう参加できないと知る必要がある。
しかし内容はといえば、行政機関のホームページを筆頭に、非常に一方的で、見たいところが見つからないものが多い。
行政機関が建前で何と言おうとも、住民サービス向上にまだまだ本気で取り組んでいないことがよくわかる。
いま、独りよがりのプロモーションではなく、コミュニケーションを重視したプロモーションが重要となっている。

 

 

経営の工夫である「戦略」を考えることは小さな企業ほど重要だ。
さらにその戦略は企業の視点からだけではなく、「顧客の視点」からも考えることが大切だ。
また反面、限られた資源しか持ちえない私たち小企業は
「主体性を維持し、市場を創造する」ということとのバランスが大事だ。

 

 

 

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