322.380万中小企業のT/B①

2017年8月2日

書店へ行くとネーミングを工夫した興味をそそる会計本が出版されていますが、残念ながら私たち中小・小規模企業の経営には

あまり役立ちません。なぜならそれらの書籍はすべて、上場企業や大企業あるいは上場を目指す中堅企業や株式投資家に向けて

書かれているからです。

ですから380万の中小・小規模企業目線で読むと、関係のないことが多く説明されているので、それが会計を難しく感じさせて

います。また重要だと説明されていることも、私たちには一般株主や投資家はいませんので、ピントが合ってないところも数多く

あり、なかなか直接的に経営に活かすこともできません。

 

そこで今回から「380万の中小・小規模企業にとってのT/B(試算表)の見方」というテーマで、私たちの経営実務に活かせる

T/B(試算表・決算書)の見方をご紹介します。

ただし、実務を優先しますので、必ずしも会計学的には正確ではない記載もあります。 予め、お断り申しあげておきます。

※T/Bとは、Trial Balance(トライアル バランス)の略で、試算表や決算書のことを指すと考えてください。

 

第1回 試算表・決算書の見方

まず最初に、試算表や決算書の全体像を理解することから始めましょう。

 

1 B/SとP/Lは「3表」から構成されている

試算表や決算書は、B/SとP/Lの2表から成っていると言われますが、実際は「3表」から成っていると考えましょう。

3表とは、 1 総資本の部  2 総資産の部  3 損益計算書  です。

 

2 B/S(貸借対照表)

総資本の部と総資産の部を合わせてB/Sと呼び、B/Sは「自社の財政状況」を表しています。

財政状況とは、どこから資金を調達して、その資金をどのように運用しているか、ということです。

 ①その、どこから資金を調達しているかは「総資本の部」に表示されています。

 ②そして、どのように資金を運用しているかは「総資産の部」に表示されています。

このことは試算表や決算書の見方の基本となりますので、よく覚えておきましょう。

 

3 P/L(損益計算書)

P/Lは損益計算書と呼ばれ、「自社の営業成績」を表しています。

いくら売れたのか、原価はいくらかかっているのか、粗利(売上総利益)はいくらか、人件費や経費はいくらか、営業ベースでの

利益はどのくらいか、などがわかります。

 ①損益計算書上の利益は(確かに)5つありますが、大事なのは「売上総利益」「営業利益」「経常利益」の3つの利益です。

 ②そのなかでもっとも大切な利益は、いまや「営業利益」です。

 ③本業ベースでどのくらいの利益が確保できているのか、ということは経営上の最大の課題です。

 ④目指すべき営業利益は業種を問わず「売上高の10%」です。

  私たちは小さなビジネスをしているわけですから、これぐらいの営業利益を確保しなければなりません。

この4つのことは覚えておきましょう。

 

4 経営に活かすのは『月次試算表』デス

「経営に活かすのは決算書」と思われている経営者が多くおられます。

それは書店で決算書をテーマにした書籍が多く並んでいることが影響しているのかもわかりませんが、それは間違いです

断言しておきます。 理由はふたつです。

 ①決算書はよそ行きの会計資料であり、化粧が施されているために実態が不明瞭になっている

 ②何よりも、年一回しか作成しない決算書では、毎日の経営に活かすことができない

 

それに対して、「月次試算表」は普段着の会計資料であり、事業の実態が表現されています。

しかし毎日の経営に活かすためには、毎月月初めには前月の試算表で出来上がっていることが望ましくなります。

また、決算(外部提出)にあたっては見てくれも大事ですので、化粧を施す(決算修正)ことも大切ですが、

戻って来たなら化粧を落とす(期首整理)ことも重要となります。

 

 

試算表・決算書はB/SとP/Lで2表ですが、

内容的には、資金の出どころ「総資本」、資金の運用「総資産」、営業成績「損益計算書」の3表からなっていることを

覚えておきましょう。

 

 

現在はただ一生懸命、商売・仕事をしていれば事業が継続できる時代ではありません。

それだけ世の中の変化は激しく、早くなっています。それが、高度成長後の現代、成熟社会だと思います。

ぜひ、いま一度経営というものを考え、創意工夫と実行でさらなる発展を目指しましょう。

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