405.図解 事業戦略策定 21

2019年3月15日

 

戦略論の第7回目は「バリュー・プロポジション」です。

前回のコア・コンピタンス経営に続き、また聞きなれない言葉ですが、ぜひ考え方は理解しましょう。

事業に必ずプラスになります。

 

1 バリュー・プロポジションとは

バリュー(value)とは、価値とか、値打ちという意味です。

プロポジション(proposition)とは、提案とか、主張という意味です。

組み合わせると「価値ある提案」となり、お客さまに、価値のある提案をして、競い合うことなく勝つようにするということです。

具体的には、お客さまが望んでいる価値と、他社が提供できる価値、そして自社が提供できる価値を考え、

その3つが重なり合う、誰でもが安易にできることをお客さまに提案するのではなく、

自社ならではの価値を、お客さまにアピールしようということです。

つまり、お客が望み、他社はできず、自社ならできる「価値ある提案」ということです。

そこから、バリュー・プロダクションは「争わないで勝つ戦略」とも言われています。

 

2 バリュー・プロポジションを考えるうえでのポイント

一般的に、お客さまが期待している価値感に対して、誰でもが提供できる価値の中で争うことから、

”過当競争”というものが生まれることになります。

そこで、このバリュー・プロポジションは、そこを外し、自社だけが提供できる価値感というところで勝負に挑もうという

考え方です。

したがって少し勇気がいる戦略となりますが、そのポイントは次の3つです。

(1)「顧客の視点」から考える  *できれば、顧客さえ気づいていない価値が見出すことができれば最高です。

(2)顧客ニーズを絞り込む

(3)他社と同じことはやらない

ほとんどの会社は時間と費用をかけて、同業者と同じことをやっています。

ですから、どうしても過当競争や低価格競争に陥ってしまいます。

このように考えてみると「バリュー・プロポジション」はやってみる価値は大いにあると思いませんか!

 

3 商店街の家電店に学んでみる

家電といえば、大型家電量販店やインターネット通販で購入するのが常識になっています。

量販店が提供できる価値は、「廉価販売」と豊富な「品揃え」です。

ネット通販が提供できる価値は、「価格」と販売員等の「わずらわしさからの解放」です。

ただ、両方とも、販売量がカギを握っていますので、広い商圏と幅広い顧客層を前提に成り立っています。

一方、商店街にある家電店は、それほどの廉価販売もできず、品揃えも乏しいですが、しかし、地域「密着型のサービス」ができる

という量販店やネット通販にはない価値を持っています。

この価値が、狭い商圏とシニア層のうえで成り立っているということです。

シニアが望んでいる価値は、後々のアフターサービスであり、ちょっとしたことでも訪問してくれる利便性であり、

ものすごい低価格はそれほど望んでいません。

こう観察してみると、見事に、「お客さまが望み、量販店やネット通販では実現できない、地域密着型の商店街の家電店だから

こそできる『価値』で勝ち残っている」ことがわかります!

どんな仕事や事業にも、このようなことがあるのではないのでしょうか。

 

バリュー・プロポジションという考え方は、赤字経営が多い中小・小規模企業に対して大きなヒントを与えてくれます。

私たちは、あまりにも横並びの経営をし過ぎているのではないのでしょうか? それを「常識」とか「固定観念」といいます。

常識や固定観念という枠の外に出ることによって、初めて「バリュー・プロポジション」は実現可能となります。

 

戦略を考えるにあたって重要なことは、『思い込み』なるものを打ち破ることです。

私たちは思いのほか、思い込みに囚われて、生活や仕事をしています。

その結果が「いま」であることを忘れてはいけないと思います。

違う結果を得たいと思うのであれば、『思い込み』を打ち破るしかありません。