361.Merketing 組織分析7S

2018年5月4日

McKinsey 7S framework(組織分析フレームワーク7S)

組織分析フレームワーク7Sとは、マッキンゼーが開発したフレームワークだ。
組織を考える上で必要な7つの要素、経営資源を提言しており、大きくはハードのSとソフトのSに大別される。

経営戦略を遂行していくためには組織分析を行い、その戦略に応じて組織を変更しなければならない。
「組織は戦略に従う」ということである。
そんな組織分析に活用できるのが、この組織分析フレームワーク7Sである。

        <組織分析のフレームワーク7S>

組織分析のフレームワーク7S

 

1 組織分析のフレームワーク7Sとは

会社の経営組織は次の7つの項目からなっていると考える。

(1)共通の価値観や理念(Shared values)

いわゆる『企業理念』であり、長年、事業を継続して育まれてきた無意識の価値観だ。
特に、技術系やものづくり系の企業に培われることが多い。
いいものを作ることだけが我々の仕事だとか、鉄道であれば安全運行さえしていればいいというような暗黙の価値観だが、
競争優位に立つためには「いいものを作ればそれでよい」という唯我独尊の製品志向ではなく、市場志向あるいは顧客志向の
価値観や理念を持つ必要がある。
過去、多くの企業が、製品志向だけの価値観を持ってしまったために衰退してきたことを学びたい。

(2)経営スタイルや組織風土(Style)

知らず知らずのうちに縛られている暗黙知であり、「出る杭は打たれる」という組織風土では競争優位に立つことはむずかしい。
一般的にオーナー経営系の企業に多く、あまりにもオーナーの成功体験が強いと言いたいことも言えず、もの言うことが逆らって
いるように取られ、オーナーの器以上には企業は伸びなくなる。
競争優位に立つためには、常にこれまでを批判的思考(クリティカルシンキング)することが重要だ。
現代でも普通に多くの企業がこのような失敗を繰り返しており、ぜひ、学んでおきたいところだ。

(3)人材(Staff)

人材は基本的に社内の中にしかいない。だから自前の人材を育成することが大変重要なのである。
たとえヘッドハンティングをしても、自社の中でその人材を活かすことは至難の業である。
なぜか?その理由は単純だ。その人材がそれまでいた組織と、現在の組織とは違うからである。
したがって、以前の手法(成功体験)をもって改革しようとしても、人はついて来ない。

だから、競争優位に立つためには自前の人材を育成することが大事なのだ。
しかしながら多くの企業、特に中小企業は「自社では人材育成なんかできない」と思い込んでいる企業が数多くある。

(4)能力(Skills)

人の能力、たとえば営業力であったり、技術力であったり、マーケティング力などは、一朝一夕には変わらない。
たとえ新しい手法、他社で成功した手法を導入したとしても、他社と自社ではすべての条件が違うので、成功はしない。
したがって、競争優位に立つためには担雪埋井、他社の事例を見本にするとしても自社に合った手法に直すことが大切だ。

(5)社内の仕組み(Systems)

社内システムを変更することは、比較的容易にできる。たとえば、評価システムや会計制度などは変更すれば何とかなる。
しかし、システムも人によるシステム(報告など情報の流れ)であれば、変更することは容易でなくなる。
したがって、競争優位に立つためには、内部統制なども併せて考える必要がある。

(6)組織構造(Structure)

組織構造とは、組織体系などの変更のことを指すが、変更さえすれば機能するので比較的しやすい。
ただ、指揮命令系統と責任の所在は明確にすることが、競争優位上も好ましい。
ボスは一人という組織構造と、責任は権限とのセットがポイントだ。

(7)戦略(Strategy)

戦略とは、事業の競争優位性を保つための方策だ。
なかなか戦略を立案することは難しいかもわからないが、決定さえすれば、比較的周知徹底することはたやすいと思われる。
ただ、競争優位に立つためには、あれもこれもという総花的ではなく、集中あるいは絞込みが重要だ。

 

2 ハードの「S」とソフトの「S」

ハードのSとは、「戦略」・「組織構造」・「社内の仕組み」の3つのSをいう。
ソフトのSとは、「共通の価値観や理念」・「経営スタイルや組織風土」・「人材」・「能力」の4つSをいう。
重要なことはハードのSは努力によって比較的短期間で変更することが可能だが、ソフトのSは容易ではないということだ。
仕組みは簡単に変えられても、人を変えるのは難しい。
ここを押さえておくと、比較的、組織改善はうまく行くといわれる。

 

3 7Sのポイント

(1)共通の価値観や理念 Shared values
   製品・価格中心から、市場・顧客中心に考えをシフトさせることだ。

(2)経営スタイルや組織風土 Style
   社内事情より、顧客を起点とした行動規範にすることだ。

(3)人材 Staff
   ただ売るだけの人材から、継続的に売れる人材に育成することだ。

(4)能力 Skills

   コスト管理能力からマーケティング能力を重視することだ。

(5)社内の仕組み Systems

   管理・年功序列から、権限委譲と自ら考える人材を評価することだ。

(6)組織構造 Structure
   縦割り組織から、顧客横断型組織へ組織変更させることだ。

(7)戦略 Strategy
   製品志向から、市場志向・マーケティング志向に切り替えることだ。

 

 

戦略とは、競争優位を保つための方策だ。その戦略に組織を最適化させる必要がある。
「こんなことうちの会社では・・」と自己限定せず、一度、この組織分析フレームワーク7Sで自社を考えみることが大切だ。

優れた企業は、これら7つの要素を互いに補完しあい、強め合いながら戦略を実行している。
私たちもひるまずに、そのような意識を持って、戦略を遂行し始めることが大切だと思われる。

 

 

 

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