178.競争優位に立つ PEST分析

2014年8月2日

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第10話 外部環境マクロ環境の分析『PEST分析』

前回までは内部環境分析の話でしたが、今回からは外部環境分析の話に入ります。
その第1回はマクロ環境を分析する手法『PEST(ペストと読みます)分析』です。

 

1.PEST分析とは
PEST分析とは、Politics(政治的要因)、Economics(経済的要因)、Society(社会的要因)、Tecnology(技術的要因)の4つ頭文字を取ったものです。
PESTは個々の相手も見えないマクロな要因ですので、自社による働きかけや努力のみではどうすることもできません。その意味では「所与の条件」に近い存在といえますが、業界団体を通じて政治へ働きかけ、規制緩和などの法律変更を促したり、自社による流行の喚起などをしたりして、働きかけや努力がまったく不可能なわけではありません。しかし、基本的には短期的な施策にはなりえないと考えられますが、長期的な経営戦略には織り込まなくてならない要因です。

 

2.PEST分析の因子

(1)Politics(政治的要因)
事業に関係のある政治的要因とは、規制や税制・補助金などの法律関係、政府・政治の動向、貿易や関税・政情不安などの国際政治関係などが挙げられます。
昨今では消費税率やTPP、アベノミクス(特に日本再興戦略)などが気になるところです。

(2)Economics(経済的要因)
経済的要因とは、産業構造の変化、GDPの動向、景気・物価・地価、金利・為替、個人所得・個人消費などが挙げられます。
昨今ではデフレからの脱却や東京オリンピックの影響、給与の上昇などが気になるところです。

(3)Society(社会的要因)
社会的要因とは、人口増減、人口構成、外国人の移入、生活様式の変化、価値観の変遷、インフラ整備、環境問題、社会問題などが挙げられます。
昨今では人口減少(世界は増加)、少子高齢化、女性の社会進出、健康志向、食品・環境安心志向などが気になるところです。

(4)Tecnology(技術的要因)
技術的要因とは、技術革新、特許動向、自社に関係する代替技術の動向などが挙げられます。
昨今ではICT技術動向、再生可能エネルギー、燃料電池自動車、リニア新幹線などが気になるところです。

 

マクロ環境を必ずしも『PEST』で考えなくても良いかもしれませんが、しかし事業を継続させていくためには(ゴーイングコンサーン)、常に考えておきたいものです。そのような姿勢が自社の環境適応を促し、永続的な事業を実現させることにつながっていきます。
社長は経営者です。ぜひ、マクロ環境に対するアンテナを立てましょう