140.会計識字力 PLの読み方

2013年11月30日

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第17話 損益計算書の読み方

損益計算書は売上高5つの利益、そして5つの費用から構成されています。
5つの利益とは略して言うと、総利益、営業、経常、税引前、純利益です。
5つの費用とは、原価、販管、営業外、特損、税金です。

この中で特に重要な利益は、総利益、営業、純利益です。
また重要な費用は原価と販管です。
それらを図示すると下記のようになります。

PL構造

売上高から売上原価を差し引いたものが売上総利益となります。
売上総利益から販管費を差し引いたものが営業利益となります。
営業利益から営業外収益を加え営業外費用を差し引いたものが経常利益となります。
経常利益から特別利益を加え特別損失を差し引いたものが税引前当期純利益となります。
税引前当期純利益から法人税等の税額を差引したものが当期純利益となります。

もう少し詳しく見ましょう。
1.『売上総利益』
いわゆる「粗利」とも呼ばれますが、これが経費を支払い、利益を残す源となります。
もし、あなたの事業で提供されている商品や製品、サービスが他社より魅力的であれば、より多くの総利益を残すことが可能です。逆に他社でも簡単に買える商品や製品、サービスであれば販売価格でアピールするしかありませんから、あまり多くの総利益は残せません。そのように考えると売上総利益はあなたの事業・会社の魅力のバローメータと言えます
だから総利益が思うようにならない場合は「儲けが少ない」と考えるより、「どうしたらお客さんにとっての魅力度が上がるのだろうか?」と考えることが大切です。そう考えると自ずと顧客志向になり、また魅力度も幅広く考えられることになります実際いまの時代、商品やサービス自体より、それ以外で(接客が良かったとかお店が明るいとか気持ちいいおもてなしなど)魅力を感じているお客さまが多いのです
あなたもお客さまの立場になった場合、そうではありませんか?
2.『営業利益』
営業利益はあなたの事業・会社の本業による利益です。
以前は経常利益が利益の王様でしたが、これだけ赤字企業が多いと最も重要な利益は営業利益です
。業績を改善するためにも、まず本業できちんと利益を出という考え方が大事です。
営業利益というものは全員の努力でいかに経費を抑えるか、否か、によって大きく左右されます。「経費の削減」というと単純なことのように思われたり、「もうとっくにやっている」と思われたりするかもしれませんが、そうではないのです。「経費を抑える」ということは、これまでの社内習慣や仕事のやり方を変えるということでまさしく「経営改善」そのものなのです。完璧な会社はありません。だから必ずまだできることはどの会社でもあります。それを「もう無い」と頭ごなしに思い込んでしまう姿勢が問題です。
営業利益はあなたの事業・会社の経営努力の成果であり、たとえ総利益が同じでも営業利益を増やすことが可能です。
3.『当期純利益』
純利益は税金を除いたあなたの会社の最終利益です。
会社の税金には法人税・住民税・事業税などがありますが、この税負担率のことを実効税率と言います。現在はだいたい38%程度ですが、いまこの税率見直しが行われており、今後は30%前後まで下がるかもわかりません。この当期純利益があなたの事業・会社が次期へ繰り越せる利益であり、ここから借入金の返済「内部留保」と言って自己資本を高めることができます。このことをよく理解しておいてください。
借入金の返済は当期純利益から返済するのです。だから当期純利益が赤字であれば借入金の返済は手元の現預金からすることになってしまいます。事業のために融資を受けたのに、その事業からは返済できずに手持ちキャッシュから返済する・・・、こう考えるとおかしいなことであることが良く分かります。さらに内部留保がないと資金は増えませんし、自己資金で設備投資もできません
ということは適切に納税を行い、当期純利益を残さないと正常な企業経営はできないということです。常に税金を少なくすることを考え節税する、常に税金が少なくなるアドバイスを有り難がって受け入れる、こんな経営を続けていればいつまで経っても良い経営はできません。
4.その他
(1)『経常利益』
経常利益は営業利益に営業外損益を加味したものです。営業外損益とはその文字のとおり、営業つまり本業以外で得た収益と費用です。具体的には預金利息であったり、借入金等の支払利息などです。したがって経常利益とはあなたの事業・会社が経常的に得られる利益と言えます。ちょっと前まではこの経常利益が利益の標準的な指標とされていましたが、現在はなかなか本業ベースで利益を残すことが困難な時代ですから、現在は経常利益よりも営業利益のほうが標準的な指標と考えたほうが良いと思います。
(2)『税引前当期純利益』
税引前当期純利益とは経常利益から臨時突発的なイレギュラーな損益、特別損益を加味したものです。臨時突発的な損益とは、固定資産を売却して得た売却益や売却損などです。したがって税引前当期純利益とは文字とおりあなたの事業・会社が得た税金負担前の最終的な利益と言えます

5.利益の読み方
さて、利益の説明が長くなりましたが、これらの利益をどう読めばよいのでしょうか?
多い、少ない、赤字だだけではちょっと能がありません。利益を読むには売上高と総資本をスケールにして読みます。特に営業利益以下の利益は業種業態による違いはありません(総利益は業種業態の影響を大きく受けます)。(1)売上高利益率
売上高に対する営業利益以下の利益は10%以上を目指すべきです。売上高5,000万円であれば500万円ということです。「ちょっと目標が高いのでは」と思われるかもしれませんが、そもそも中小企業は大企業のような大きな商売をしていませんので、本来的には大企業より利益率は大きくあるべきです。無けなしの資金で事業をしているわけですからその位をあるべき目標として経営しましょう。
(2)総資本利益率
次に総資本に対する目標ですが、これは20%以上を目指すべきです。総資本とは何回も申しあげているとおり、事業に要している資金の総額です。その活用効率である総資本回転率は「2回転以上を目指すべきである」と説明しましたが、そこから考えると売上高営業利益率×2回以上となり、20%以上となります。因みにこの指標を総資本営業利益率と言いますが、このことを英表記すれば、ROA(
Return on Asstts リターン・オン・アセット)と言います。