175.競争優位に立つ ライフサイクル

2014年7月6日

第7話 プロダクトライフサイクル(Product Life Cycle)

今回は内部環境、モノの分析の2回めです。
2回めは『プロダクトライフサイクル(PLC)』です。

 

『プロダクトライフサイクル』は知っている方も多いかと思いますが、製品は「『導入期⇒成長期⇒成熟期⇒衰退期』の4つのステージを経て終える」という理論です。
製品売上高は投入後、下図のように推移し、各ステージによって特徴や課題がありますので、自ずとマーケティング戦略も違ってきます。

            < 製品ライフサイクル図 >

製品ライフサイクル

 

1.導入期

『導入期』の製品等は、まだ製品の認知度も低いので需要もあまりありません。
そのため利益は出ませんが、市場を開拓するためのマーケティング戦略をしっかり立案し、商品の認知度を上げることが課題となります。製品コンセプト・基本的機能や使い方などをマーケットに伝え、対象となるお客様にその商品を使ってみようと思わせることが大切です。
前回の『プロダクトポート・フォリオ・マネジメント(PPM)』では、『問題児』に当たります。

2.成長期

 『成長期』の製品等は、ある程度、認知されて需要も喚起されますので、売上高・利益ともに上昇してきます。
しかし、新たな市場参入者も増える段階ですので、マーケットにおけるシェア拡大と確立が課題となり、ブランドイメージを浸透をさせるコミュニケーションが重要です。また新しい機能の追加や生産ラインも拡大されるので、対象となるお客様に十分告知するとともに、具体的な利便性を伝えることが大切となります。
前回の『プロダクトポート・フォリオ・マネジメント(PPM)』では、『花形』に当たります。

3.成熟期

『成熟期』の製品等は、マーケットシェアが固定化され、競争相手もある程度安定し、売上高としては逓減を見せ始める段階となります。
各社の製品間で機能差がほとんど見られない中でのシェア争いとなるため、マーケットにおけるポジショニングとシェアの維持が課題となります。会社ならびに商品ブランドイメージを強化する『ブランドロイヤリティ』を高めることが大切です。
前回の『プロダクトポート・フォリオ・マネジメント(PPM)』では、『金のなる木』に当たります。

4.衰退期

『衰退期』の製品等は、売上高・利益あるいは競合ともに衰退が表れる段階です。
経営者判断としての、撤退のタイミングを検討することが重要です。シェア獲得よりも、お客様に対するメンテナンスや社会的責任を果たすことが、次の顧客として継続させるためにも大切です。
前回の『プロダクトポート・フォリオ・マネジメント(PPM)』では、『負け犬』に当たります。

 

『プロダクトライフサイクル』はマーケティング戦略の基礎的な理論で、そのガイドラインとしてとても有効な考え方です。

 

自社のモノの分析、商品戦略を前回のPPMや今回のPLCで考えなくとも考えられるかもしれません。しかし大切なことは、このような考え方をすることで、自社を次のステップへ導いてくれることです。
いつまでも弱い立場の中小零細企業で甘んじるわけには行きません。大志を持って経営に当たりましょう!