759.改善方法を掘り下げる 安全性③
2026年6月20日
今回は『改善方法掘り下げる 安全性』のまとめです。
安全性とは「事業を倒産のリスクから遠ざける」ことでした。
したがって、下記のとおり「短期的な側面」「長期的な側面」「事業資本の側面」の3つの側面から検証する必要がありました。
短期的な則面からの安全性の検証
①流動比率(%) : 流動資産 ÷ 流動負債 ×100
②当座比率(%) : 当座資産 ÷ 流動負債 ×100
③手元資金比率(%) : 現預金 ÷ 流動負債 ×100
④預金対借入金比率(%) : 現預金 ÷ 長短期借入金 ×100 などがあります。
長期的な則面からの安全性の検証
⑤借入金対月商倍率(ヶ月 ): 長短期借入金 ÷ 平均月商
⑥固定比率(%) : 固定資産 ÷ 自己資本 ×100
⑦固定長期適合率(%) : 固定資産 ÷(純資産+固定負債) × 100 などがあります。
事業資本の則面からの安全性の検証
⑧自己資本比率(%) : 純資産 ÷ 総資本 ×100 があります。
安全性の分析は「分子に資産」、「分母に負債」がある!
◎短期的な安全性の経営分析は
基本的に大きければ大きいほど安全性は高くなります。
つまり、分子の流動資産を大きくし、分母の流動負債を小さくすれば、短期的な安全性は高くなるということです。
◎長期的な安全性の経営分析は
基本的に小さければ小さいほど安全性は高くなります。
つまり、分子の固定資産を小さくし、分母の固定負債・純資産を大きくすれば、長期的な安全性は高くなるということです。
◎事業資本の安全性の経営分析は
基本的に大きければ大きいほど安全性は高くなります。
つまり、分子の純資産を大きくし、分母の総資本は小さくすれば、つまり負債を小さくすれば、事業資本の安全性は高くなる
ということです。
これが事業の安全性を高める方向です。
流動資産は大きく 流動負債は小さく 固定負債は小さく 固定負債は大きく 純資産は大きく
では、具体的にどうすればよいのでしょうか?
1.総資産の改善策
当座資産・流動資産・固定資産などの総資産の改善は、当座資産・流動資産をなるべく多くし、固定資産はなるべく少なくする
ということです。
しかし、大前提として内部留保の確保することが挙げられます。
総資産の改善に着手する前に、まず、その原資でもある『内部留保』を確保することが大前提となります。
「内部留保の確保」とは、常に黒字経営なるように努めるということにほかなりません。
そのうえで、運用している総資産のやりくりを考えることになります。
安全性の改善の前に黒字経営を続けることが大前提!
第1は「固定資産の見直し」
保有している固定資産を見直し、整理すると必ず流動資産の割合(構成比)が増えることになります。
そうなれば、固定比率や固定長期適合率も改善され、借入金対月商倍率も改善されることになります。
不要な固定資産は処分する!
第2は「流動資産の改善」
流動資産の改善とは、手元資金を厚くすることにほかなりません。
そのためには
①経営に活かしている「その他流動資産」以外に、その他流動資産は持たない。
②販売活動に必要な在庫である「棚卸資産」しか保有しない。
③「売上債権」は期日通り回収する。
この3つを実行すれば、流動資産中の手元資金は最大化されていきます。
そうなれば、流動比率・当座比率・手元資金比率も改善され、手元資金は増えて来ますので、預金対借入金比率も改善されます。
その他流動資産、棚卸資産、売上債権がポイントです!
第3は「事業資本の改善」
事業資本の改善とは、自己資本を多くすることにほかなりません。
総資本(負債+自己資本)に占める、自己資本(純資産)の割合を多くするということです。
上記の「固定資産の見直し」「流動資産の見直し」をすれば、流動負債と固定負債の減少につながって行きます。
それに加えて、黒字経営で内部留保を着実に増やせれば、自己資本比率は改善されていきます。
資産運用の改善に加え内部留保を積むことがポイントです!
このように会計に基づいて経営の舵取りをして行けば、現状におけるベストの経営判断が行えます。
その結果、事業の永続につながって行きます。
決して経営分析は数値分析だけに終わるものではなく、意思決定の方向を示してくれるものなのです。