757.改善方法を掘り下げる 安全性②

2026年6月7日

前回は支払能力からの安全性を説明しました。

今回はもう一つの安全性である「借入金返済能力」を説明します。

経営が行き詰まるリスクは流動負債の支払が出来なくなることと、銀行借入の返済ができなくなることです。

どちらのリスクが高いのかと考えると、銀行からの借入は契約がしっかりしている関係から、銀行借入の方かもわかりません。

銀行は融資を大きなビジネスの柱としていますので、当然とも考えられます。

それの状況を判断するには

 ①預金対借入金比率 →現預金と長短期借入金を比較し、現預金の保有状況をチェックする

 ②借入金対月商倍率 →長短期借入金と平均月商を比較し、長短期借入金の借入額をチェックする

 ③固定比率     →固定資産と自己資本を比較し、固定資産の投資財源をチェックする

 ④固定長期適合率  →固定資産と固定性資金(純資産+固定負債)を比較し、やはり固定資産の投資財源をチェックする

 ⑤自己資本比率   →純資産と総資産を比較し、事業に投じている資産(資本)における自己資本割合をチェックする

などありますが、では、具体的にどうすれば、そのようなことから避けることができるのでしょうか。

 

1.借入をしない

まず、一番の対策は銀行からの借入をしないことです。

そんなこと!?と思われるかもしれませんが、これが一番の対策です。

これを少し言い方を替えれば「安直な借入はしない」ということになります。

つまり、「何とか借入しよう」とそこに傾注するのではなく、まず、設備投資採算計画をしっかり立案するということです。

これが本当のねらい目です。

そうすれば、どう考えても無理な設備投資であるとわかるかも知れませんし、縮小して考えようということになるかも

わかりません。

借入金返済能力を高める王道は借入をしないことです!

 

2.手元資金の保有を高める努力を常にする

次に考えなくてはならないことは「手元資金」を高めるということです。

企業規模が小さいほど、リスクに対して取れる対応策は限られて来ます。これが現実です。

したがって、企業規模が小さいほど手元資金の保有を高めておく必要があります。

そのためには

 ①売掛金は期日回収する

 ②余分な在庫は持たない

 ③余計な「その他流動資産」は持たない

 ④経費の冗費節減に努める

 ⑤黒字経営を継続させる

ことなどが大切です。

借入金返済能力を高めるには手元資金を高めることです!

 

3.自己資本を高め、なるべく内部留保は手元資金で持つ

同語反復にもなりますが、企業規模が小さいほど自己資本を高めることが大切です。

一般には企業規模が小さいほど自己資本割合は低くなることが常ですが、それは正しい常識ではありません。

正しい常識は企業規模が小さいほど、自己資本割合を高めることです。

かつ、その自己資本の多くが手元資金以外に運用されているのではなく、手元資金に比重を置いて運用されていることが重要です。

したがって、自ずとビジネス規模は小さくなります。

逆に言えば、ビジネス規模を大きくするにはどこかでリスクを取る必要があるということになります。

借入金返済能力を高めるには自己資本を高め

自己資本を手元資金で運用することです!

 

 

 

経営に魔法はありません。

会計で経営状況を読み、いかに手元資金を高めていくか!?

これが安全性を高める経営の秘訣です。