756.改善方法を掘り下げる 安全性①

2026年5月29日

経営には継続できるかどうかという事業継続の「危険性」が常に付きまとっていると考えられます。

安全性とはそんな危険性である「倒産リスク」から遠ざかっている度合いのことをいいます。

そこで会計では、倒産リスクの経済的な要因である他人資本、中でも1年以内に返済しなければならない「流動負債」に対する

支払能力を計り、経営の安全性をマネジメントしていくわけです。

その指標が「流動比率」であり「当座比率」であり「手元資金比率」です!

 

いずれも近々返済しなければならない「流動負債」とその支払原資である「流動資産」とを比較して、経営の安全性を測ります。

会計において「流動負債」は比較的正確に計上されていますが、支払原資である「流動資産」は確実に資金化できるものだけか、

疑わしいことが多々あります。

したがって、支払原資は「流動資産」で考えるよりも「当座資産」、「当座資産」で考えるよりも「手元資金」だけで考えた方が

より確実な安全性が読み取れることとなります。

自社の流動資産、当座資産を考えて、流動比率で判断して良いのか、当座比率で判断した方が良いのか、さらには手元資金比率で

判断した方が良いのか、考えればよいと思われます。

自社の実情で「流動比率」か「当座比率」か「手元資金比率」か考える!

 

いずれにしても、流動負債より流動資産、当座資産、手元資金をより多く保有することが大事となります。

では、どうすればそのような経営が出来ることになるのでしょうか?

 

1.固定資産は必要以上保有しない

BSの構造が理解できると、固定資産が必要最小限になれば、流動資産が必要最大限になることがわかります。

したがって、過度な設備投資はしない、不要な設備は資産価値があるうちに売却するなど、常に固定資産のスマート化を

意識することが大事となります。

 

2.その他流動資産を極力持たない

「その他流動資産」には、前渡金や立替金、仮払金など数多くありますが、その多くは商売とは関係がないものが多く、

かつ回収時期が不明瞭であるという特徴があります。言い換えれば、その他流動資産は不良債権の色彩が強いとも言えます。

しがたって、その他流動資産はなるべく持たないように経営をすることが大事です。

そうするとその分、手元資金を始め、より流動性が高い流動資産が増えることになるからです。

 

3.棚卸資産は必要以上抱え込まない

ついつい在庫を多く持ちたくなってしまいますが、売れ残りはやがて処分するすら出来ず、廃棄することになりがちです。

その分、最終的には売上原価を押し上げることになり、粗利を減らし、収益体質を悪くします。

したがって、常に在庫の整理整頓を心がけ、デッドストックにならないようにすることが大事です。

そうすればその分、手元資金が増えることになり、粗利も増えることになりますので、収益体質の改善にもつながります。

 

4.売掛金は期日内に回収する

売り上げて売掛金になると安心してしまう経営者は多いですが、商取引は代金回収するまでが「商取引」です。

したがって、売掛金は期日内に回収する努力をすることが大事です。

期日内に回収するには、得意先に期日内に支払する習慣を付けさせることが大事です。

そのためには期日になって未入金の場合は、必ず期日翌日に得意先へ連絡し、支払確認をすることが大切です。

毎回毎回それを続けると、やがて連絡をもらう前に支払されることになりますので、やがて期日内に支払うようになります。

それを放置していると未払金が溜まりますので、場合によっては一度に払いきれない場合も起こりえますので、

そうなると支払遅れが常態化することになってしまいます。

 

5.手元資金の未来を管理する

毎日、現預金出納帳を作成している中小企業は少ないと言われていますが、日々の現預金出納を締めることは経営管理の基本です。

しかしそれに加えて大切なことは、手元資金の未来、少なくとも期末残高までは常に把握することです。

そのためには期末までの予測を含めた「資金繰り実績表」を毎日更新し、期末にはどの程度になるのか、手元資金を管理します。

現預金出納帳だけでは現在の残高はわかりますが、未来の期末にはどうなるのかについてはわかりません。

したがって、前期の現預金出納帳を元に「期末までの資金繰り実績表」を作成し、そのうえに実績を更新していくと、

常に自動的に期末現預金はいくらになるのか、わかるようになります。

そうすると常に期末までの予測ができますので、対策も早く打てるようになります。

特に中小零細企業にとって、このことは大事なことであり、これを実行すると確実に事業継続性が高まります。

常に期末までの手元資金有り高を掌握することが大切です!

 

 

 

このように会計の情報をもとに深掘りし、行動レベルまでに落とし込むことが大切です。

そうすれば徐々に健全な経営体質に変貌させていけます