751.会計のおさらい 会計の見方読み方⑦

2026年4月19日

6 より強い経営にするための収益構造の見方・読み方

より強い経営や安定した経営にするためには、収益構造(より儲けが大きくなる仕組み)を改善していくことが大切です。

収益構造の改善とは、同じ売上高でもより儲けが大きくなる営業体質のことをいいます。

そのためには自社での付加価値を知ることが重要です。

 

(1)自社の付加価値「損益分岐点分析」

自社の付加価値率とは、売上総利益とほぼイコールですが、正確には少し違います。

正確な付加価値率とは、原価や原材料に対して付けている価値になります。

そのことを「損益分岐点分析」と読んでいます。

まず直接原価である仕入れ商品や原材料のことを変動費と呼び、それを求めます。

売上高から変動費を引いたものを限界利益と呼び、売上高に対する比率を限界利益率と言います。

変動費(円)   =商品仕入+原材料=直接原価

②限界利益(円)  =売上高ー変動費

③限界利益率(%) =限界利益÷売上高×100

次に固定費を求めます。

固定費とはその名のとおり、売上の増減に関係なく固定的発生する費用のことであり、売上原価と販売費及び一般管理費から

変動費を引いたものとなります。

固定費(円)=売上原価+販売費及び一般管理費ー変動費

この固定費が売上高ですべて賄うことができれば、その売上高が収支が一致する利益ゼロの売上高となります。

その売上高のことを損と益が分岐する売上高という意味で、損益分岐点売上高と呼びまず。

⑤損益分岐点売上高(円)=固定費÷限界利益率

この損益分岐点売上高と実際の売上高を比べたものを損益分岐点比率と呼び、自社の収益体質が判断できるようになります。

また収支トントンの損益分岐点比率(100%)から自社の損益分岐点比率を引いたものを経営安全率と呼び、

赤字経営に陥るまでの売上高減少率を表すことになります。

⑥損益分岐点比率(%)=損益分岐点売上高÷実際の売上高×100

経営安全率(%)    =100%ー自社の損益分岐点比率

より強い経営や安定した経営を目指すためには損益分岐点比率は80%以下を目指したいものですが、

超優良と言われる企業の多くは損益分岐点比率50%前後と言われています。

損益分岐点比率は80%以下を目指しましょう!

 

(2)損益分岐点分析の例題

損益分岐点比率は言い換えると、実際の売上高が赤字にならない最低限の売上である損益分岐点売上高の割合です。

算式は「損益分岐点売上高 ÷ 実際の売上高 × 100」で求め、低いほど経営に余裕があることになりますので、

一般的には80%以下が目安と言われています。

たとえば、売上高1250万円、損益分岐点売上高1000万円の場合であれば、1000万円÷1250万円×100で80%と

なり、 売上高が現在の80%までに減少しても赤字経営にはならないことを示し、経営安全率は20%となります。

それをもう少し具体的に説明しましょう。

例題:売上高       1200万円

   売上原価 商品仕入  100万円

        材料仕入  380万円

        労務費   120万円

        その他経費  60万円    売上原価計660万円(売上原価率55.0%)

   販売費及び一般管理費 536万円

   営業利益        24万円    (営業利益率2.0%)

この場合、次のとおりとなります。

①変動費      商品仕入100万円+材料仕入380万円 =480万円

②限界利益     売上高1200万円ー480万円 =720万円

③限界利益率    限界利益720万円÷売上高1200万円×100 =60%

④固定費      (売上原価660万円+販売費及び一般管理費536万円)ー変動費480万円 =716万円

⑤損益分岐点売上高 固定費716万円÷限界利益率60% =1193万円

⑥損益分岐点比率  損益分岐点売上高1193万円÷実際の売上高1200万円×100 =99.4%

⑦経営安全率    100%ー99.4% =0.6%

この場合、売上高が0.6%(7.2万円)以上下がれば赤字へ転落することになります。

 

(3)収益構造の改善への道、シミュレーション

この損益分岐点分析の最大の特徴は、収益構造の改善への道がシミュレーションできるということです。

例えば上記の場合次のようにシミュレーションしたとします。

1.限界利益率を2%改善し、62%とする。

2.固定費は昇給もあるので5%増額し、752万円とする。

3.目標営業利益は2倍とし、48万円とする。

すると、目標売上高は次のようになります。

目標売上高=(目標固定費752万円+目標営業利益48万円)÷目標限界利益率62%=1290万円

ポイントは、限界利益率2%の改善することと売上高を1290万円、7.5%増収することになります。

これを具体的にどうやって達成するのか方策を考えて実行すれば、このシミュレーションは達成することになります。

このように、損益分岐点分析は来期のシミュレーションもできますので、収益構造の改善への道を歩めることになります。

損益分岐点分析は収益構造改善への道すじを意思決定することができます!

 

 

 

このように会計は上辺だけでなく、読み下していくことが大切です。

そこから戦略・戦術の方向性を見出すことができ、このことを「経営分析」といいます。

決して経営分析は上辺だけを見るだけのものではありません。