750.会計のおさらい 会計の見方読み方⑥
2026年4月10日
5 将来を見据えた成長性の見方・読み方
事業を始めた以上、経営に携わる者としては誰しも成功させ、成長させたいものです。
成長性分析とは、売上高や利益、総資産などのデータを用いて、事業がこれまでどれほど規模を拡大させ、
今後どれほど成長する可能性があるかを判断することをいいます。
主に売上高の増加率や利益の成長率などを確認し、いまだけでなく、今後の状況や競争相手あるいは市場平均などと比較し、
成長性を見極める手法です。
(1)「対前年売上高比率」を確認する
「対前年売上高比率」は事業の拡大スピードを示す、最も基本的な指標です。
対前年売上高比率(%)=当期売上高÷前年同期売上高×100
事業コストである売上原価や人件費あるいは経費などは、経営環境に関わらず、基本的に毎年上昇するものです。
したがって対前年売上高比率も、常に前年比100%超を維持させねばなりません。
さらに本当の売上高の成長性は経営計画を策定し、その目標売上高と比較し、確認しなければなりません。
売上高は前年比だけでなく、計画と比べなければ意味が半減します!
(2)売上高は「既存売上高」と「新規売上高」の状況を知ることが大事
目標売上高を達成していくためには、既存売上高と新規売上高の状況を知ることが大変重要です。
基本的に経営計画の売上高は、毎年上昇するコストを吸収しかつ所定の利益を確保するために、
前年売上高を上回る売上高を設定することが通常です。
前年売上高を上回るためには、まず前年からの既存売上高を策定し、目標売上高と既存売上高の差額が今期新規に売上なければなら
ない新規売上高となります。
その既存売上高と新規売上高の達成状況を確認することで、新たな打ち手を具体的に考えることを誘導してくれます。
グロスで売上高の状況を判断するより、既存売上高がどうなのか、新規売上高がどうなのか、それぞれ別に捉えることによって、
さらに明確な戦略が考えられるようになり、目標売上高達成への道筋をより明確にしてくれます。
(3)営業利益/経常利益の増加額
経営で大事なのは「増収」だけでなく、「増益」です。
つまり、売上だけでなく、稼ぐ力である収益性が向上しているか、確認することが大事です。
営業利益増加額=当期経常利益-前期経常利益
経常利益増加額=当期経常利益-前期経常利益
その見方・読み方での注意点は以下のとおりです。
①市場全体との比較 自社が成長していても、市場全体がそれ以上に成長していればシェアは低下していることになります。
②利益とのバランス 売上高が急増しても、利益が減っていれば問題があることになります。
③資金繰り 急激な成長は人材・設備不足や、資金繰りの悪化(黒字倒産)を招くリスクがあります。
成長性分析はこれらの指標を時系列で追い、同業他社と比較して、総合的に判断することが重要です。
(4)成長性分析に必要な6要素
売上や利益なども含めて、成長性を分析するのに必要な要素は6項目あります。
①売上高
②営業利益
③経常利益
④総資産
⑤純資産
⑥従業員
これらの要素から分析に必要な指標を算出し、前年度と比較すれば、1年ごとの成長性を分析できます。
このように会計は上辺だけでなく、読み下していくことが大切です。
そこから戦略・戦術の方向性を見出すことができ、このことを「経営分析」といいます。
決して経営分析は上辺だけを見るだけのものではありません。