747.会計のおさらい 会計の見方読み方③

2026年3月13日

2 生産性の見方・読み方

 

(1)生産性とは収益を伸ばす力であり、利益を大きくする力のこと

生産性というと、モノつくりの効率化だけのように理解しがちですが、実はそうではありません。

生産性とは、収益を伸ばすことによって、立ち上げた事業の可能性を拡げることを指します。

したがって収益である売上高を伸ばすことだけで生産性の目的が終わるのではなく、本質は事業の利益力を伸ばすことにあります。

だから生産性の向上は事業の可能性を拡げることにつながるのです。

生産性とは売上を伸ばすことだけでなく、『利益力』を伸ばすことにある!

このように理解すると、生産性とは単に売上拡大を見るだけでなく、「利益拡大していけるか」見ることがポイントだわかります。

したがって、投入する資源である「人」「時間」「コスト」を減らすか、産出する成果である「付加価値」「売上」「量」を増やすこと

で効率を高めることになり、単なる「業務効率化」や「労働時間削減」ではなく『付加価値』を基準として「成果の最大化」という

視点を持つことが重要となって来ます。

生産性向上とは『付加価値を向上』させることです!

 

(2)具体的な見方・指標

生産性の主な見方は3点あります。

1.労働生産性

 労働生産性は生産性を見る基本です。

 労働生産性とは、一人当りでどのくらい稼いでいるのかということです。

 一人当り年間売上高(円)=年間売上高÷従業員数

 

2.人的生産性

 人的生産性とは、一人当たりの付加価値のことをいいますが、これが増えて来ないと人件費の分配や黒字経営が難しくなります。

 一人当り年間粗利益(円)=年間粗利益÷従業員数

 粗利益率(%)       =年間粗利益÷年間売上高×100

 

3.労働分配性

 労働分配性は、従業員モチベーション向上の基本となります。

 モチベーションを上げるには経営理念や仕事のやり甲斐などもありますが、賃金が低くてはモチベーションは向上しません。

 賃金はモチベーションの基本要件であり、それがある程度満たされてこそ、その他のモチベーションが活きて来ます。

 労働分配率(%)    =人件費÷粗利益×100

 労働分配率が低すぎると、従業員への貢献が報われていない可能性がありますので、要注意です。

 さらに全体の労働分配率だけを見るのではなく、職位(役員・正社員・非正規社員)に分けて見ることが大切です。

 

4.生産性向上その他の見方・指標

 ①事業資本の生産性

  事業も投資である以上、そのリターンと一人当りの投資額も確認することが必要です。

  総資本利益率(%)   =年間営業利益÷総資本×100

  一人当り総資本(円)  =総資本÷従業員数

 

 ②設備投資の生産性

  固定資産である事業設備は生産するために投資しているものです。

  したがって、やはりそのリターンと一人当りの投資額も確認することが必要です。

  粗利益設備生産性(%)=年間粗利益÷有形固定資産×100

  労働装備率(円)     =有形固定資産÷従業員数

 

 ③一人当りの稼ぎ高

  人は稼ぐために事業に従事しているわけですから、最終的な生産性である稼ぎ高を確認することも大事なことです。

  一人当り年間経常利益(円)=年間経常利益÷従業員数

 

 

(3)生産性向上のための方法論

生産性の向上を図るには3つの側面から考えることが大切です。

その3つの側面とは以下のとおりです。

 ①メソッド面       : 作業方法や技術を改善する。

 ②パフォーマンス面    :スキルや能力の向上させる。

 ③ユーティライゼーション面: 稼働率を改善する。

 

1.具体的な施策とポイント

 ①業務の見える化を行い、ムダを排除する

  現場の作業を見える化し、不要なプロセスをカットします。

 ②コア業務への集中を図る

  ノンコア業務(ルーチンワーク)は外部委託を検討したり、自動化に置き換えます。

 ③テクノロジーの活用

  AIやRPA、ITツールの導入などによって、いわゆる「DX化」を図り、効率化します。

 ④組織風土の改善

  トップダウンに終始するのではなく、現場の主体性を引き出します。

  つまり、経営者である自分自身の改善ということになります。

 

生産性向上は一過性ではなく、長期に渡って成果が出る体制作りをすることが大事です

従業員に負荷をかけすぎず、意欲やスキルを向上させる視点、

つまり働きやすい環境整備が不可欠です!

 

 

このように会計は上辺だけでなく、読み下していくことが大切です。

そこから戦略・戦術の方向性を見出すことができ

このことを「経営分析」といいます。

決して経営分析は上辺だけを見るだけのものではありません。