745.会計のおさらい 会計の見方読み方①

2026年2月27日

前回、前々回と「B/SとP/Lの区分」の説明をしましたが、この区分を理解すれば、会計の見方や読み方がわかって来ます。

もう一度確認すると、つぎのようなことでした。

 

1 B/SとP/Lの区分

(1)B/Sは大きく資産と負債及び純資産に区分され、負債及び純資産は『資金の調達』を、資産はその『資金の運用』を示す。

(2)P/Lは大きく収益と費用に区分され、収益は『資金の源泉』を示し、費用は『資金の使途』を示す。

(3)資金の流れは、最初に資金の調達を行い、そしてその資金を運用し、事業活動を通じて収益を得て費用を支払い利益が残る。

   この利益が資金調達に還元されていくという流れを繰り返し、事業を継続そして成長させて行きます。

(4)資金調達には他人資本と自己資本とがあり、他人資本は運用中の手元資金から返却する。

 

これをもっとシンプルに表現すると、次のようになります。

(1)資金調達とは事業資金の出どころであり、それは他人資本の「負債」と自己資本の「純資産」です。

(2)資金運用とは事業資金の活用している形であり、それを「資産」といい、「おカネ(手元資金)」のままに残しているか、

   「売上債権」として活用しているか、在庫である「棚卸資産」に活用しているか、設備である「固定資産」に活用しているか

   いずれかの形となります。

(3)資金源泉とは事業資金(おカネ)の元であり、本業による「売上高」とそれ以外の「営業外収益」です。

(4)資金使途とは事業資金の元を得るための「費用」であり、「売上原価」「販売費及び一般管理費」「営業外費用」です。

 

このように理解すると、会計の見方・読み方は次のように考えることができます。

 

2 会計の見方・読み方の考え方

(1)資金の出どころである「資金の調達」とその活用をしている形「資金の運用」を比べると、運用の適正がわかるのでは?

  ・特に負債の中の「流動負債」は近い将来に返済する他人資本なので、近い将来返済できる形での運用することが求められる。

  ・また資産の中の「固定資産」は長く運用するので、返済する必要のない「純資産」か長い時間をかけて返済すればよい

   「固定負債」を財源にすべきであることが考えられる。

(2)資金の出どころの中にある「借入金」を「資金の源泉」と比べると、返済の可能性がわかるのでは?

  ・毎月の収益は企業にとって毎月の生活費であるので、その「収益」と比べると借入金額の適正が判断できる。

  ・借入金は毎月の生活費の中で返済すべきなので、その「利益」と比べると借入金の返済期間が判断できる。

(3)売上を得るために「資金の運用」を行い、また「資金の使途」である費用もかけているので、売上高と比べるとその効果が

   わかるのでは?

  ・各資産は売上を得るために運用しているので、「売上高」と比べるとその生産性が判断できる。

  ・各費用と「売上高」を比べると費用対効果が判断できる。

(4)売上の最終目的は「利益」の獲得であるので、各利益と売上高を比べると収益上の問題点がわかるのでは?

  ・「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「税引前当期純利益」「当期純利益」の5段階の利益を見れば、利益の減衰状況が

   判断できる。

  ・と同時に問題点も特定できる。

 

このように理解し、会計の見方・読み方を整理すると、次のようになります。

 

3 会計の見方・読み方

(1)一番大事なこと『収益性』

  事業の第一関門は「儲ける」ことです。儲からないと事業は継続できません。

  そのことを「収益性」といいますが、これを高めることが大事になります。

(2)次に大切なこと『生産性』

  事業の第二関門は「伸ばす」ことです。伸ばすことで事業の可能性は大きくなります。

  そのことを「生産性」といいますが、低いと事業資金の使い方としてもうまくないことになります。

(3)同時に考えるべきこと『安全性』

  事業を行うにあたって「収益性」「生産性」と同時に舵取りしなくてはならないことは「安全性」です。

  事業の安全性も図っていかなければ、経営環境の荒波を乗り越えていけません。

  ここまでが会計の基本的な見方・読み方となります。

事業は儲けて、伸ばして、気をつける!

したがって、会計の基本的な見方・読み方は『収益性』『生産性』『安全性』となります!

 

そしてそのほかに大事な見方・読み方は3つあります。

(4)必ず返済しなければならない借入金『返済能力』  *むずかしい言葉では『債務償還能力』

  借入することなく事業が行えればよいのですが、なかなかそうもいかず、どうしても融資を受けることになりがちです。

  融資を受けることは事業にとって必要なことですが、しかし借りた以上、確実に返済しなければなりません。

  そうでないと銀行取引停止となり、事業を続けていくことが難しくなります。

(5)将来を見据えた『成長性』

  事業を成長させていくことは、経営者としての夢でもあります。安全堅実に成長性を確認することも大切なことです。

(6)より経営を強くする『収益構造』

  より安全に効率よく事業を継続するためには、収益体質の向上を目指して、収益構造の改善を常にしていくことが大事です。

 

 

これらの角度から会計を見て、現状を読むことが大切です。

そしてこの見方・読み方を総称して「経営分析」と呼んでいます。

したがって自社の経営分析は特別なものでも難しいものでもありません。