744.会計のおさらい P/Lの区分
2026年2月21日
会計で自社の状況を知るためには、勘定科目の区分を守ることが大事であり、そのことが経営のディフェンス(守り)を強化できる
ことにつながり、それが「会計は経営を強くする」といわれる所以と紹介しました。
前回はB/Sの区分を説明しましたが、今回は「P/Lの区分」について詳しく説明します。
1 P/Lの区分
P/L勘定科目は次のように区分されます。
①売上高 本業の収益状況を示します。
②売上原価 本業の収益に対する原価を示します。
③販売費及び一般管理費 売上げるために要した販売経費と管理のために要した事務経費を示します。
④営業外損益 本業外で得た収益と本業外で要した費用を示します。
⑤特別損益 臨時的に発生した一時的な収益と費用を示します。
そして売上高からそれぞれの費用(一部、収益も含まれる)を差し引きしたものを『利益』と呼び、5段階の利益があります。
①売上総利益 売上高から売上原価を差引いた利益です。
つまり、売上原価に上乗せした利益であり、『付加価値』とも言えます。
売上総利益は自社の付加価値でもあり、付加価値を高める経営を『高付加価値経営』という!
②営業利益 売上総利益から販売費及び一般管理費を差引いた利益です。
営業利益は本業ベースの利益であり、黒字でなければ世の中に役立っている事業とは言えない!
③経常利益 営業利益から営業外収益と営業外費用を加算・減算した、事業として経常的な利益です。
④税引き前当期利益 経常利益から特別利益と特別損失を加算・減算した、事業として税負担する前の利益です。
⑤当期利益 税引き前当期利益から法人税等を減算した、最終利益です。
収益体質を改善するためにはこのP/Lの構造を理解しておくことが大切です!
2 P/L区分の詳細
(1)売上高
1.売上高はいうまでもなく、事業にとって「資金の源泉」です。
これが減っていくようであれば徐々に経営は苦しくなっていきますので、毎期「増収」が基本となります。
売上高は資金の源泉なので毎期増収させることが基本!
2.増収が基本と考えるならば、少なくとも部門別で「既存売上高」と「新規売上高」に分けて管理することが大切です。
経営計画での増収部分が「新規売上高」に該当します。
3.さらに部門とは別にBtoBであれば「得意先別管理」を、BtoCであれば「商品グループ別管理」を行うことが大切です。
売上高を「部門別」「得意先別」にすることで経営に役立つ会計となる!
*管理力を向上させるためにはコストがかかることは当たり前です。
このようにすることで「事務が煩雑になる」とか「時間がかかる」などと言うことは、そのとおりではありますが、
本末転倒の理由です。
(2)売上原価
ここから説明する費用はすべて「資金の使途」といえるものとなります。
したがって、費用は抑えることによって資金使途が少なくなりますので、資金の増加要因となります。
費用は資金の使途なので抑えることが資金を増加させることにつながる!
1.売上原価とは、その名のとおり、売上高の原価になるものです。
2.売上原価には、商品原価である「商品仕入高」と製品原価である「製品製造原価」から成ります。
3.製品製造原価はさらに、「材料費」、「労務費」、「製造経費」に分けられます。
材料費 製品の材料であり、「材料仕入高」などがあります。
労務費 製造するための人件費であり、「賃金」「賞与」などがあります。
製造経費 製造に要する経費であり、「外注加工費」「電力費」「ガス代」「修繕費」などがあります。
注1:「外注加工費」については、本来内製ですべきものを外注しているとも考えられますので、
販売費及び一般管理費の人件費項目に区分する考え方もあります。
注2:「付加価値」という概念からは「直接原価」と「間接原価」に分ける考え方があります。
直接原価は商品仕入高と材料仕入高だけであり、その他はすべて間接原価に分類されます。
つまり、間接原価は企業努力によって減らすこともできますので、付加価値を増やす努力ができるからです。
(3)販売費及び一般管理費
1.販売費及び一般管理費とは、売上げるために要した販売経費と管理のために要した事務経費のことです。
2.収益体質を知る上では、「人件費」と「販売費」および「一般管理費」をしっかり区分することが大切です。
3.人件費は「役員報酬」「給与」「賞与」「パート代」「法定福利費」「厚生費」など、人に関わる費用のことです。
4.販売費とは「広告宣伝費」「梱包費」「発送配達費」「販売員旅費」「販売員ガソリン代」など、販売するために必要な
費用のことです。
5.一般管理費とは「家賃」「水道光熱費」「通信費」「交通費」「減価償却費」など、管理に関わる費用のことです。
販管費を「人件費」「販売費」「管理費」にしっかり区分することで経営に役立つ会計となる!
さらに販売費を内訳管理することで無駄がわかり収益体質の改善に役立つ!
(4)営業外損益
1.営業外損益とは、本業外で得た収益と本業外で要した費用のことです。
2.営業外収益は「受取利息」「受取配当金」「雑収入」などの営業外での収益のことです。
3.営業外費用は「支払利息」が主な営業外での費用のことです。
*受取利息や支払利息などは銀行別に口座管理しておくことが大切です。
(5)特別損益
1.特別損失とは、臨時的に発生した一時的な収益と費用のことです。
2.主なものとして「固定資産売却益」「固定資産売却損」などがあります。
このようにP/Lを正しく区分することで的確な収益体質の改善に着手することができ
不況などを乗り越える強い経営が出来ることになります。