743.会計のおさらい B/Sの区分

2026年2月14日

前回は主な勘定科目を紹介しましたが、会計で自社の状況を知るうえで大事なことは「勘定科目の区分を守る」ということです。

経営にはオフェンスとディフェンス(攻めと守り)の両面がありますが、会計はどちらかといえば守りが強化できる側面があり、

それが「会計は経営を強くする」といわれる所以です。

会計はディフェンスを強化し「経営」を強くする!

特に、勘定科目の区分を守るということは、そのディフェンスを強化することにつながって行きます。

今回はそんな「勘定科目の区分」について、詳しく説明します。

会計で自社の経営状況を把握するのに大事なことは「勘定科目の区分」を守ること!

 

1 B/Sの区分

前回で説明したとおり、勘定科目は次のように区分されます。

 ①資産は「流動資産」「固定資産」「繰延資産」に区分され、資金の運用(資金の使用状況)を示す。

 ②負債・純資産は「負債」「純資産」に区分され、資金の調達(資金の出どころ)を示す。

 ③損益計算書は「収益」「費用」に区分され、収益の体質を示す。

中でも、資産と負債・純資産は「貸借対照表」に表示され、事業の財政状況が読み取れるようになっています。

負債と純資産はどう『資金の調達』をしているのかを示し

資産はその資金をどう使っているのか『資金の運用』を示す!

 

2 B/S区分の詳細

(1)資産

 1.流動資産と固定資産・繰延資産は「ワン・イヤールール」と呼ばれる、資金化されるまでの期間を1年間で区分し分けられ、

   資金化出来やすい順に並べられており、事業の資金力が読めるようになっています。

   従って、流動資産・固定資産・繰延資産の区分を正確に分けないと、自社の資金力を読み間違えるようになってしまいます。

 2.流動資産はさらに「現預金」「売上債権」「棚卸資産」「その他の流動資産」に区分され、

   手元にある資金「現預金」、期日が到来すれば資金化出来る「売上債権」、売れて期日が来れば資金化出来る「棚卸資産」、

   そのほか1年以内に資金化出来る見込みの「その他の流動資産」がわかるようになっています。

   なお、特に現預金と売上債権を合わせて「当座資産」と呼ばれ、当座資産は重要な他人資本の返済原資となります。

   流動資産の大切なことは、以下のとおりです。

  ①現預金は保管上の問題からも必要以上は手元に置いておかないで預金に預ける。

  ②売上債権は期日通りに取引先から回収する。

  ③棚卸資産は必要以上に持たない。

  ④その他の流動資産は極力発生させない。

この4つを守れば最大限の資金が手元に残るようになる!

 3.固定資産はその形によって「有形固定資産」「無形固定資産」「投資その他の資産」に区分されます。

   有形固定資産は、事業を行うために必要な生産設備などであり、その多くは減価償却の対象となります。

   無形固定資産は、事業を行うために必要な権利などです。

   投資その他の資産は、上記以外の事業を行うために保有している債権などです。

   固定資産の大切なことは、以下のとおりです。

  ①有形固定資産は生産に関わる設備や土地家屋などなので、常にその生産性を管理する。

  ②あまりにも生産性の低い有形固定資産は、除却処分などを決断する。

  ③投機は事業ではないので、投機目的の土地所有などは事業の本道から外れていると認識する。

この3つを守れば必要最小限の固定資産となり、より多くの手元資金が残るようになる!

 

(2)負債

 1.流動負債と固定負債は、 やはり「ワン・イヤールール」で返済期間が1年間以内と1年超で分けられ、

   返済時期が早い順に並べられて、事業における他人資本(借金)の返済状況について読めるようになっています。

   だから、流動負債・固定負債の区分を正確に分けないと自社の他人資本の返済状況を読み間違えるようになってしまいます。

 2.特に、支払手形と買掛金を合わせて「買入債務」とか「仕入債務」などと呼びます。

   また、短期借入金と1年以内返済長期借入金、長期借入金を合わせて返済利息かかかるので「有利子負債」とも呼ばれます。

   負債の大切なことは、以下のとおりです。

  ①買入債務は仕入先からの債務ではありますが、「売買活動の運転資金」とも言い換えることができます。

   したがって、売上債権および棚卸資産(売買活動の運用資産)とのバランスが大事になります(運転資金要調達高)。

  ②流動負債には多くの勘定科目が用意されていますが、なるべく勘定科目を多く発生させない経営をすることが大事です。

   そうすることによって自己資本比率が高められ、手元資金を高める経営になっていきます。

 3.固定負債はそのほとんどが設備投資のための調達資金といえます。

   したがって、固定資産と比較することが大事です。

   絶対に超えてはならないラインは、固定資産が固定負債と純資産の合計を超えることです。

 

(3)純資産

 1.純資産とは自己資本のことであり、 基本的には「資本金」と「利益剰余金」です。

 2.利益剰余金には、「繰越利益剰余金」と「当期利益」という二つの勘定科目があります。

 3.事業は経営理念は別にして、利益を得るために起こすものですから、繰越利益剰余金と当期利益は黒字であることが大前提に

   なります。もしそうでない場合は、損益計算書を読みこなし、早急に収益構造を見直す必要があります。

 

このように正しく区分し区分する意味がわかるようになると

貸借対照表で自社の財政状況が把握でき

問題を是正して行くことで不況などを乗り越える強い経営ができることになります。