740.2026年所得税確定申告の要点

2026年1月16日

2026年の所得税確定申告(令和7年分)には多くの改正があります。

それぞれを理解したうえで、余裕を持って所得税確定申告書を提出しましょう。

 

申告期間は2026年2月16日(月)から3月16日(月)までです!

 

 

1 2026年(令和7年分)所得税確定申告の主な変更点

 主な変更点は下記のとおりです。

 1.基礎控除額の見直し

 2.給与所得控除の見直し

 3.特定親族特別控除の新設

 4.扶養親族等の所得要件改正

 それぞれについて、詳しく紹介します。

 

1.基礎控除額の見直し

 2026年に行う所得税確定申告では「基礎控除額」が大幅に見直されます。

 改正により、合計所得金額に応じて、基礎控除額が段階的に引き上げられることになりました。

 これまで一律『48万円』だった基礎控除額が、

  1.所得132万円以下は        『95万円』

  2.所得132万円超~336万円以下は  『88万円』

  3.所得336万円超~489万円以下は  『68万円』

  4.所得489万円超~655万円以下は  『63万円』

  5.655万円超~2,350万円以下は   『58万円』  に引き上げられました。

  なお、この改正は令和7年12月1日から施行され、2025年・2026年所得分にのみ適用されます。

  2027年所得分以降は、所得132万円以下の場合は引き続き95万円ですが、それ以外は『一律58万円』となります。

 ただし、国内居住者にのみ適用です。また、所得2,350万円超の方の基礎控除はこれまでと変更ありません。

 

2.給与所得控除の見直し

 「給与所得控除」は、これまで『55万円』だった控除額の下限が『65万円』に引き上げられ、さらに適用範囲も拡大されます。

 給与所得控除とは、会社員の経費にあたる分を自動的に差し引いて、課税対象額を減らす仕組みのことです。

 自営業者や個人事業主が自分で実際にかかった経費を計上するのに対し、会社員は申告不要で一定額が控除されます。

 改正後は、給与収入が190万円以下の場合は、一律65万円の控除を受けることが可能です。

 162万5千円超〜190万円以下の方もこれまでの計算式ではなく一律65万円となるため、中低所得者にとって所得控除額が増え、

 税負担が軽減します。

 

3.特定親族特別控除の新設

 2026年の年末調整・確定申告から新たに「特定親族特別控除」が創設されます。

 この制度は、19歳以上23歳未満の親族(主に大学生年代)を扶養している場合に適用される控除制度です。

 親族の合計所得金額が58万円超123万円以下の場合、親族一人につき『最大63万円』の控除を受けられるようになります。

 控除額は特定親族の所得金額に応じて段階的に設定され、所得85万円以下なら『63万円』、90万円以下なら『61万円』といった

 具合に定められています。

 この改正により、アルバイト収入のある大学生などを扶養している家庭において、扶養者の税負担の軽減が可能となります。

 会社員などが年末調整時に適用したい場合には、別途特定親族特別控除申告書の提出が必要となります。

 

4.扶養親族等の所得要件改正

 扶養親族等の所得要件についても重要な変更があります。

 基礎控除の見直しに伴い、扶養親族や同一生計配偶者、ひとり親の生計を一にする子供の所得要件が、48万円から『58万円』に

 引き上げられました。

 また、配偶者特別控除の対象配偶者については、58万円超~133万円以下(改正前は48万円超133万円以下)へ、

 勤労学生の所得要件も75万円から85万円に引き上げられています。

 これらの変更により、アルバイトをしている学生など、より多くの親族が扶養控除の対象になりやすくなりました。

 

 

2 所得税確定申告の基本 -いつ、対象者、やり方ー

1.所得税確定申告の期間

 2026年の所得税確定申告期間は、「2月16日(月)から3月16日(月)」までです。

 e-Taxでの申告は「1月5日(月)」から提出が可能です。

 

2.所得税確定申告が必要な人

 所得税確定申告が必要の方は、主に以下のような人です。

 ①個人事業主やフリーランスで事業所得がある人

 ②副業所得が20万円を超える給与所得者

 ③2ヶ所以上から給与を受けている人

 ④年収2,000万円を超える人

 ⑤不動産所得がある人

 上記以外にも該当する場合がありますので、可能性のある方はあらかじめ問い合わせて、確認しておきましょう。

 還付申告については、医療費控除や住宅ローン控除を受ける会社員の方なども対象で、2026年1月1日から5年間提出可能です。

 

3.所得税確定申告のやり方

(1)第1ステップ:必要書類を準備する

 確定申告に共通して必要な書類として、主に以下のものがあります。

 ①確定申告書

 ②本人確認書類(マイナンバーカードまたは通知カード+身分証明書)

 ③所得を証明する書類(源泉徴収票、支払調書など)

  2019年以降、源泉徴収票などの添付は不要となりましたが、記載内容の転記は必要なため、手元に準備しておきましょう。

 ④各種控除証明書類(生命保険料控除証明書、医療費の領収書、住宅ローン年末残高証明書など)

  控除内容によって必要書類が異なるため、事前に確認しておきましょう。

  個人事業主の場合は、青色申告決算書または収支内訳書の作成が必要となります。

  還付申告の場合は振込先の口座情報も準備しましょう。

  マイナポータルを連携すれば、生命保険料控除や社会保険料控除、ふるさと納税(寄付金控除)などの証明書を一括取得し、

  確定申告書に自動入力することができます。

 

(2)第2ステップ:所得税確定申告書の作成

  所得税確定申告書の作成は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」の利用が便利です。

  画面の案内に従って入力するだけで自動計算され、計算ミスを防げます。

  スマートフォンでも、贈与税を除く、その他すべての所得税申告・すべての所得税控除に対応しています。

  マイナポータル連携により、控除証明書などのデータを自動取得できるため、作業効率が向上します。

 

(3)第3ステップ:所得税確定申告書の提出

  所得税確定申告書の提出は、以下の3つの方法から選択できます。

  ①e-Tax(電子申告)

  ②郵送

  ③税務署窓口持参

  e-Taxなら24時間提出可能で、生命保険料控除証明書や医療費領収書などの添付書類も省略できます。

  特に、青色申告で最大65万円の控除を適用するには、e-Tax申告が必須です。

 

(4)第4ステップ:税金の納付、還付手続き

  所得税確定申告で算出された所得税の納付期限は、申告期限と同じ3月16日(月)です。

  確定申告書を提出したら終わりではなく、提出期限までに納付も済ませなければならない点に注意です。

  納付方法は、主に以下から選択可能です。

  ①振替納税

  ②ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)

  ③クレジットカード納付

  ④インターネットバンキング

  ⑤スマホアプリ納付

  ⑥コンビニ納付(QRコード)

  ⑦金融機関または所轄税務署での現金納付

  注1:振替納税を利用される場合は4月23日の口座引落となりますので、実質的に納付期限を延長できることになります。

  注2:還付申告の場合は、申告内容に基づいて税務署から還付金が支払われます。

     e-Tax申告なら約3週間、書面申告なら1~2ヶ月程度で還付されるのが一般的です。

  注3:納付額の半分以上を期限内に納めれば、残りの額の支払いを6月1日(月)まで猶予できる延納制度も利用できます。

     ただし、利子がかかります。

 

 

3 無申告や期限遅れに注意!

 確定申告の期限を過ぎてしまうと、さまざまなペナルティが発生します。

 まず、期限後申告の場合、青色申告特別控除65万円・55万円が、最大10万円に減額されます。

 また、無申告加算税として納税額の15%(50万円超300万円以下の部分は20%)が追加で課税される恐れもあります。

 さらに、延滞税も発生するため、時間が経過するほど、負担が増すことになります。

 ただし、期限後1ヶ月以内に自主的に申告した場合など、一定の条件下では無申告加算税が軽減・免除されるケースもあります。

 こうした事態を避けるため、早めに書類を準備し、期限内に申告することが大切です。

 やむを得ない理由がある場合は、税務署で納税期限延長の承認を受けられる場合もありますので、早めに相談しましょう。

 

詳しくは、最寄りの税務署または税理士などの専門家にご確認ください。