718.夢のような夢でない話① 電池

2025年8月8日

 少し前置きが長くなるが、ここ何年間か、どうも新聞・テレビ等のメディア報道はおかしくないか。

直近では、読売新聞が参議院選翌日の7月21日に「石破内閣退陣!」と、あたかも既成事実のようになんと号外を打った。

しかし、その後石破内閣は退陣していないばかりか、続投表明をしている。

なのに、訂正もせずに知らぬ存ぜぬを決め込んでいる。

これは明らかに勇み足であり、誤報だ。

いま流行のフェイクニュースを大新聞まで流すのかと呆れてしまう・・。

 そのもっとも定番報道が「為替」に関する報道だ。

経済的には適度な円高は輸入が安くできて、輸出は高くできるので、本来は経済にとって良い構造の筈だ。

しかし、少しでも円高に振れれば「輸出が減る!」、逆に円安になれば「コストが上がる!」などと煽り立てる。

結局、どちらに転んでも煽り立てるのが、最近の大手マスコミの常とう手段になっている。

最近の新聞・テレビは報道の矜持を忘れ、週刊誌やタブロイド紙の如く、大衆化していると言わざるを得ない。

だから「既成メディは信頼されなくなっている」というのはよくわかる。

 これから日本経済が再び「Japan as Number1」と言われるぐらいに復活するためには、

まず、少なくとも1ドル120円程度の為替相場となり、安く輸入ができ、高くても輸出が伸びるようにならなくてはいけない。

そのためには『付加価値』が重要ということに他ならない(これは一般事業でも個人でも同じことが言える)。

さらには、食料自給率やエネルギー自給率の向上、新しい資源の開発、高くても売れる技術開発なども重要だ。

そうすれば少子化問題も解消できる基盤ができる。

 

 そこで今回からは、そんなことから日本の「夢のような夢でない話」をいくつか探り、気持ちをアグレッシブにしたい。

しかし、これらの話は「日本だけがどうなる」という話ではなく、「世の中がどのように変わるか?」という話でもある。

これから実現する世界に誇る日本の技術としては、AI、IoT、ビッグデータ、ブロックチェーン、5G、3Dプリンター、

ロボット工学、ドローン、遺伝子編集、ナノテクノロジー、再生可能エネルギー、電気自動車などが挙げられる。

これらの技術は、日本の強みである高品質な製品開発や精密な製造技術、そして長年培われてきた研究開発力によって

再び世界をリードする可能性を秘めている。

 

 

1 全固体電池

全固体電池とは、これまでの電池(リチウムイオン電池など)と違い、その主な違いは「電解質の種類」にある。

全固体電池は「固体」電解質を使用し、従来の電池は「液体」電解質を使用している。

この違いによって、安全性、エネルギー密度、出力特性、低温特性、製造コストなどに違いが生じる。

全固体電池は電解質を含む全ての材料が固体で構成された二次電池であり、従来のリチウムイオン電池で用いられてきた

液体電解質を固体電解質に置き換えることで、より高い安全性、長寿命化、エネルギーの高密度化など、多くのメリットが

期待される。

全固体電池には高い安全性、長寿命化、エネルギーの高密度化など多くのメリットがある!

 

(1)自動車産業に与える影響

現在、特に電気自動車 (EV) などの分野で実用化に向けた開発が進められている。

そのような状況の中で、全固体電池が実現すれば、1回の充電でEV車の走行距離が700~800㎞に伸ばせるという。

さらには、日本のエネルギー事情を一変させる可能性もあると言われている。

EV車が「蓄電」として活用できる可能性もあり、ビークル・ツー・グリッド(Ⅴ2G)が大化けするというのだ。

その全固体電池の日本の競争力は高く、2030年前後には本格的普及期を迎えると予想されている。

そこへ向けて、トヨタを始め、村田製作所、マクセルなど、電子部品各メーカーが凌ぎを削っている。

そうすると、自動車産業界で「移動手段」に「蓄電」という『付加価値』で、日本車が再び世界を席巻する可能性がある。

全固体電池で日本のEV車は移動手段+蓄電という『V2G』で再び世界を席巻する!?

 

(2)その他の産業界に与える影響

全固定電池は自動車産業界のほかでも多くの影響を与える。

1.エネルギー産業

電力貯蔵であるVPP(Virtual Power Plant:仮想発電所)への活用により、単なる「蓄電池」としての役割だけでなく、

既存のエネルギー供給体制に大きな影響を与える。

 

2.再生可能エネルギー産業

再生可能エネルギーの効率的な利用が可能となるので、再生可能エネルギーの普及が促進され、電力の安定供給に貢献する。

もう電力は既存電力会社だけに頼る時代ではなくなってくる。

 

3.自動車産業の変革

電気自動車(EV) の進化により、走行距離の延伸化充電時間の短縮、バッテリーコストの低減、安全性向上など、

大幅に性能を向上させるので、自動車はEV車が主流となる。

そうなると、自動車業界への電機産業の参入や自動車産業界のサプライチェーンに大きな変化をもたらし、

自動車産業界全体に大きな構造変化をもたらす可能性がある。

 

4.医療機器産業

小型・高性能な医療機器が、埋め込み型医療機器(インスリンポンプ、ペースメーカーなど)やウェアラブルデバイス(スマート

コンタクトレンズなど)の小型化・高性能化を革新させる可能性がある。

そうなると従来の電池に比べて、液漏れや発火のリスクが低くなるので、医療機器の安全性を高める。

また、いま盛んにニュースになっているリチウムイオン電池による発火問題も無くなる。

 

5.IoTの本格的普及

全固体電池が開発されるとIoT化が進み、ウェアラブルデバイスやセンサーなどのIoTデバイスの小型化高性能化を

促進させるので、マイクロチップの低価格化も同時に進む。

そうなると、新しい利用形態や供給体制も進むので、サービスのあり方などを一新させる可能性がある。

 

6.電子機器産業

スマートフォンやノートパソコンなど、より小型で、より軽量化された高性能な電子機器が開発される可能性が高まるので、

現代の生活を一変させる可能性も出てくる。

 

 

 

このように全固定電池の開発は、急速なEV車への切替えや自動車産業界の構造を大きく変えるだけはなく、

多くの産業界や産業構造をも再編成させ、社会自体も変革させる可能性のある技術開発といえる。

その影響は当然のことながら、多くの中小企業も大きな影響を受ける。

したがって、業態転換を視野に入れておくことや現サービスの高付加価値化の努力し続けることがいまから求められる。